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最近は大会が少ないので、工事現場のアルバイトで生活費を稼いでいる。
そんな中、デモクラシー賞の通達があり、
久々に剣師として喜んでいたときのことだった。

「この間、町をうろうろしていたのはお前さんかい？
いや、あの格好はまずいだろう。まずいよ、うん」
「何のことか、さっぱり…」
「ああ、今の格好もちょっとまずいと思うな。
まずいかもな、うん」
「あの」
「いや、あの紫色のレスリング着みたいなのはどうかと…」
「レスリング？」
「剣をやめてレスリングに転向するかと思ったよ、うん」
「まさか、そんな…」

オーナー：kusa_hen

(出典：マーガレット・アンリミテッド・Six)

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自らの存在していた銀河が崩壊し、
新しい複製銀河ができた。
自分の存在もまた、複製された。
複製された自分は、以前と違う生活を送っている。
存在の揺らいでしまった現在の自分は、それを見守り続けている。

「さて、今回は…
熱湯逆流爆撃弾々マッチだ！
なんと！リングの外に出たら最後、
プールに流れるのは熱湯！
おまけに流れて柱にぶつかると、
柱のスイッチから爆撃弾が！恐ろしいぞ！
さて、挑戦者は全くの新人！
そのはっきり言って凶器の大きな鉄板も役に立たないぞ！どうするか！！」

派手な闘技場の中に、盾を持って情けなく立ちすくんでいる自分がいた。

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(出典：マーガレット・アンリミテッド・Six)

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ひょんなことから謎のレスリングの試合に参加することになった。
流れるプールに囲まれたリングは、熱気に包まれている。ずっと前に連れて行かれた「健康ランド」の「温泉」や「サウナ」のような水蒸気の熱さだ。
ぶつかったら危ないという柱が、不気味に笑っている。
「おっと、ここでチャンピオンの登場だあ！
現在３連勝中の…
ビッグ・ファット・キャンディ！！」
名前の通りのレスラーが現れた。
落ち着いて相手との距離を測り、移動したそのときだった。
建物の端で普通の人が行かないような場所に、
紫色のレスリング着を着た人影が見えた。

そして、隙ができた。

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(出典：マーガレット・アンリミテッド・Six)

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10月も末になるのに、レスリング着のような格好をした娘が街中を走っていた。
街は祭でにぎわっており、大人たちは子どもにお菓子を振舞っている。
子どもは皆仮装していて、仮装のような格好の娘も声をかけられたが、信じられないような速さで、あっという間に駆け抜けてしまった。
声をかけたのは、妖精を模したドレスの少女たちだった。彼女たちはその様子について、不思議そうに話した。


JuNは初めてのレスリングの試合に負けた。
「…熱湯のつもりだから、苦しんで！」
あのレフェリーのひそひそ声が忘れられない。
安い賞金を手に、ふらふらと宿へと戻ろうとした。
ハロウィンという異国の行事が、街で行われていた。
そこで友人たちに会い、負けたことも忘れ、楽しく遊んだ。
ただ、一つだけ気になることを言われた。
「JuNさん…？さっきJuNさんらしき人を見たんだけど、人違いだったかしら。紫色のタイツ…」

もしかして、以前に出会った「自分」と名乗る剣師だったのだろうか。
JuNはシャワーを浴びている間、思考をぐるぐると巡らせた。

シャワーから出たJuNは、ハロウィンで子どもからもらった星型の飴を口に入れた。
「甘くて美味しいキャンディをあげるよ！
…甘いのは苦手？じゃあ、モカ味！モカ味のをあげよう！
僕と同じくらい美味しいよ！」

それは塩の塊だった。
プールに落ちたとか、自分が出たとか、ハロウィンとか、全部忘れそうになった。



★あとがき★
なんだこれ。

オーナー：kusa_hen

(出典：マーガレット・アンリミテッド・Six)

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