名前:桐来 八【現実より】
HP :0
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:3
剣技:
・召喚剣<5/1/0/4/熱熱斬斬/行間> ・召喚剣<0/4/0/3/高高高/インデント> ・召喚剣<50/0/0/0//物語の端>
設定:
「や、実のところここら辺のこと、ぜんっぜん知らないんだよねー」行科がハネた女性は、彼に抱えられたまましれっと返答する。後に『桐来 八(きりき はち)』と名乗る彼女である。
「え、えっ」それを横で見ていたのは静原てまり。本人曰くぽっちゃりした体型をした彼女だけが、桐来がハネ飛ばされても、誰も何事もなく済まそうとしていることに混乱していた。
「あ、そうなんすか、そんじゃ……」それに対し、行科は用済みと言わんばかりに、桐来を放しバイクのハンドルに手を掛けた。行科がサドルに跨ごうとすると、桐来はそこで初めて行科を制止させた。
「来た道を戻るといいよ。私たちはそっちから来たけど、ダメだった」
「ダメ?」
その返答に答えたのは静原。「ダメでした。ここら辺みたいに、ぜんっぜん知らないところっていうか。おかしいですよね、私、自分の家から、普段使ってる駅の方に歩いてたんです」
家を出てまだ2分も歩いてないのに、と付け加え、静原はため息をつく。酷く疲労していた。
「かれこれ、数時間くらい歩いてるのかな。あんまり動かない方が良いかも、とも思うんだけれどねー。ま、私はここがどこだろうとあんまり困らないんだけれど」桐来はわざとらしく意味ありげな笑みを浮かべて、ミトンになっているピンクの手袋をした手をパタパタする。ちなみに、真夏ではないが、しかし手袋をするような気候では決してない。
「ケータイもずーっと圏外だし、神隠しにでも遭ったみたいな。どこの家も明かり1つついてないし、他に人もいないし……。もう、ほんとどうなってるの」話しているうちに不安が不安を呼んであふれそうになった静原の目には、うっすらと涙が浮かんでいた。彼女の手を、桐来は手袋越しに握る。
行科はいまいち理解出来ていないようで(誰も現状について理解などしていなかったが)、あまり彼女らの言葉を信じてはいないようだった。
どうしよう、適当に走ってみるか……? などと、行科はボーっと考えながら、衝撃でずれたヘルメットの位置を正す。
「んー、分かった、ありがとー。そんじゃー」そう言って、行科は走り去っていった。しばらくして行科と彼女らは再会することになるが、この舞台には、桐来と静原の二人が残された。
二人は止めていた足を動かし、「そーいえばさ」と静原は尋ねる。「なんで轢かれても平気だったの?」
幸い、周囲は暗い。それに桐来は表情をくらませて、「当たり所がよかったんじゃないかな」とはぐらかす。桐来は自分が『死なない』せいだと思っていたが(そしてそれは単なる妄想や空想ではなかったが)、実のところそれも正しくはなかった。
しばらく、二人はゆっくりと歩いていた。疲労した静原のペースに合わせて、疲れを知らない桐来は、スキップしたり、少し先に歩いてから立ち止まってまったり、落ち着きのないようだった。時折手をつないで歩いたりもした。元来、お喋りの好きな二人であったので、やり取りが絶えることはなかったが、それでも言葉数は減りつつあった。
二人が再度足を止めたのは、赤く濡れた何かの存在に気づいたときだった。それは地面にうち捨てられており、周囲を酷く汚していた。
それは、ズタズタに切り刻まれた、女性の死体だった。
オーナー:clown
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