名前:桐来 八【ぶらり湯けむり夢きぶん編】
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:4
剣技:
・召喚剣<0/4/0/3/高高高/インデント> ・召喚剣<5/1/0/4/熱熱斬斬/行間> ・召喚剣<5/0/0/3/速護熱衝絶絶/地の文> ・召喚剣<30/0/0/2/盾盾/栞> ・召喚剣<50/0/0/0//物語の端>
設定:
「「「最初はグー、ジャンケンポン!!!」」」
「あー! やっぱり俺からか! なんだこの補正!」
「日頃の行いが出たね」
「頑張って」
洋風の鉈をビルドし、メイデアと対峙する宮を目に映しつつ、頭では考え事をしていた。宮は負けない。危なげのある場面はいくつかあっても、『絶対に』負けない。私も、八も、負けない。少なくともこの場面では負けない。
何故それが分かるのか? 分からない。ただ1つ裏付けるものがあるならば、異常なまでの既視感。宮が戦っている場面を初めて見たのに、全ての動きが予測通り。まるで私が未来視でも持っているみたいに。
昨夜目を覚ますと、八がいなかった。どうも寝付けなかった私は、なんとなく、八を探して別の車両まで探しに出た。眠らない彼女は、きっとどこかうろついているのだろう。しばしばどこかに行っているのには、気づいていた。お互い深く詮索するような仲じゃないから、私はあえて問いただしはしなかったけれど。
他の車両にも、私たちの他には誰も見あたらなかった。一切変化のない風景の繰り返しに、まるで延々とこの車両が続いているかのような錯覚を覚えつつ、照明の絞られた薄暗いを歩いた。窓の外は、明かり1つない闇で、地の底だった。
「どうしたの、てまり」八の声がしたのは後ろだった。私は振り向くと、本当にすぐ後ろのところに、八が立って私の顔を覗く。
「うわ、びっくりさせないでよ」
「お化けみたいでしょ? 幽霊列車っていうか、魔列車みたいな」
「マレッシャ?」意味が分からない。
「で、どうしたの」
「いや、別に。なんか寝付けなくて」むしろ、どうしてこんな所にいるのかを、私が聞きたい。
「そう」
わずかな空白を埋めるのは、電車の走行音。単調に。
「そういえばさ」少し、俯きがちに、八は。
「うん」
「私、誰かと旅行に行くって初めてだな」
「そうなんだ。まあ、旅行っていうか、なんというか」
「そうだけどね」八は小さく笑って、顔を上げて、言葉を繋げた。「それでもまあ、楽しいなら、旅行でいいんじゃないかな」
「そうかもね」
「そう言えば、聞いてもいいのか分からないけれどさ」八は、笑みをより大げさにする。それが作り笑いだと、私は知ってる。どことなく、その理由も、彼女の口から出る問いも、知っている。ただ、分からないのは。
「てまりは、何を求めて、聖域に行くの?」
その、答えだった。
オーナー:clown
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