名前:桐来 八【ぶらり湯けむり夢きぶん】
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:5
剣技:
・召喚剣<0/3/0/4/高高高/三点リーダ> ・召喚剣<5/0/0/3/速護熱衝絶絶/地の文> ・召喚剣<5/0/0/3/速護熱衝衝衝/台詞> ・召喚剣<30/0/0/2/盾盾/栞> ・召喚剣<0/4/0/3/高高高/インデント> ・召喚剣<35/0/1/1/盾/眠気> ・召喚剣<5/1/0/4/熱熱斬斬/行間> ・召喚剣<50/0/0/0//物語の端>
設定:
ぅわんぅわんぅわんぅわんぅわん――
コーヒー牛乳を飲み、マッサージチェアに座って。
ボーッと、どこか緩んだ気持ちだけがそれに揉まれていた。何も考えないで良い、何も考えないのが良い、そんな時間。
なのに、なのに俺は。
頭の片隅で考えていた。こんなことでいいのだろうかと。いつも正常さなんてなくて、何となく当たり前に落ちていた石に躓いた、そんな平坦な日常からの転落の後には、何が俺を突き動かしていたのだろう。消しゴムのような単純な摩耗に消えてしまいたいと考えていたのは事実で、振り返ってみればそこに俺は何を求めていたのかも分からない。
ここは、どこだろう。
いつから、俺はここに至ったのだろう。想起すれば手に握られるマチェットに疑問を覚えないのはいつからだろう。少なくとも、俺は剣なんて知らなかった。オーロラメモリー? ビルド? なんのこっちゃ? なんて、しらばっくれではなくて本当に知らない、そのはずだった。初めて八に、てまりに会ったときもまだ、正常だった。いつから俺はここにいる? 周囲を見渡す目を無くした俺に、それを推測するほどの情報はない。頭に刻まれた365の軌跡もまた、偏執的に単調な波形しか残していない。
八かてまりに尋ねてみれば、案外すんなりとそれに答えてくれるかもしれない。あるいは、そんなことを考える俺を笑い飛ばしてくれるかも知れない。全ては嘘だと、俺がどうかしているんだと。どっちにしたって、そうすれば俺は救われる――んだろう。
立ち上がって、徘徊する。
聖域は広い。俺は何の手がかりもなくただ歩いていた。二人はまだ入浴しているかもしれないし、もう部屋に戻っているかもしれないけれど、何となく歩いていたかったというのもある。修学旅行に来たっぽい高校生の集団を何度か横目に見つつ、気づいた時には一番下の階に来ていた。
巨大な扉が開かれていて、そこには薄暗い通路が続いていた。重々しい雰囲気が、ゆっくりと抜ける冷たい空気に溶けて、眠気と脱力を奪っていく。
「あ、宮!」
てまりの声。それを見つめて立ち尽くしていた俺の焦点を動かしたのは、てまりだった。もうちょっと別の風呂入ってくる、と再度別れてから、見たところまだ八を見つけていないようだった。
てまりもまた、その開かれた扉の向こうへ、視線をやる。
既に、言葉は必要なかった。お互いの思惑や感情は分からないけれど、運命の傾く方向に耳をやる必要もない。あらゆる行動を想起する以前に、自分の足が動き出していた。
オーナー:clown
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