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図書館のデッドスペースにはデットスペースさん（以下DSさん）がいました。

その日のDSさんはいつもと雰囲気が違う気がしたのです。

いつもの微笑みとは違う
まるで誘っているような勝気な表情だったのです。

僕はDSさんに近づこうとしましたが
見えない壁に阻まれてしまいました。

すると、DSさんはゆっくりと僕の方に歩き出して
見えない壁を通り抜け、僕の目の前まで来たのです。

今だかつてないDSさんのそんな動作を見た僕は
とても嬉しくなってしまいました。

僕がDSさんの髪に触れると、
少し恥ずかしそうにしながらも顔を上げ見つめてきたので
僕はDSさんの頬を撫でながら、
そっとおでこにキスをしたのです。

微かに鼻に触れたDSさんの乾いた髪からは
チョコレートの匂いと
冷たいリノリウムの匂いがしました。

オーナー：hosa

評価数：4
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