名前:S
HP :0
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:4
剣技:
 ・裏切書簡
 ・召喚剣<5/0/0/8/盾/ランドアンバー>
 ・召喚剣<5/5/0/2/重重/ダンガード>
 ・召喚剣<5/5/0/2/斬斬/イガバッチド>

設定:
3.サンクチュアリ

 桔月はソーサラーだが剣も使えた。むしろ専門分野は武器の補助魔法(エンチャント)である。
 ソーサルスクールで魔法剣を教えていた彼女だが、魔法学会から報復課への異動要請をさせられた。桔月は当時二十歳だった。
 報復課の役割は、養成施設「サンクチュアリ」にてアベンジャーから魔法を抽出することだ。そのためには彼ら自身が魔法を理解する必要がある。報復課の教員は彼らに魔法の原理を教え、成熟させたその知識を頃合いを見て奪っていく。その知識を魔道書へと記すことで一連の過程は終了する。
 後始末として「魔法の粉」で彼らの記憶を消去すれば、その魔法はソーサラーのものになる。
 古代の戦士イガバッチドは記憶を消されて髑髏になった。その要因に魔法の粉が関わっていたとも言われている。
 桔月は一人の少年と邂逅した。
 彼の名は「蜂須賀鋭」、まだ十歳の幼さだった。
 一目見て、アベンジャーだと桔月はすぐに判別した。
(この子もまた尋常じゃない。なんて眼をしてるんだろう)
 負の精神が魔法発現に作用していくメカニズム。報復課は更生課とも呼ばれており、アベンジャーを正常な道へと正していかなければならなかった。
 桔月は鋭を拾った。サクンチュアリで養成し、耐熱の(と桔月は誤認していた)魔法を抽出する。それが本部から与えられた桔月の役目だ。
 幸いにも鋭は物分かりのよい少年だった。背伸びをしたふうもあり、早く大人になりたがっている様子だった。
 鋭は桔月の指導のもとで勉学へと励んでいた。しかし友達はいなかった。同年代のアベンジャーはサクンチュアリにもそれなりにいるが、話しかけることはしない。逆に声をかけられたこともあるのだが、鋭は誘いをことごとく断り、ついには相手にされなくなった。彼は人の温かみにもシールドを張っているようだった。
 桔月はそんな態度の鋭もまた背伸びの一つだと思っていた。
 だが、抱えていた問題は想像以上に深いものであったらしい。
 ある晩、鋭は忽然と消えた。サンクチュアリから抜け出してテロリストになったと知ったのは、それより一年後のことであった。
 桔月は鋭を取り戻すべく、組織の動向を監視していた。


オーナー:かに

評価数:4
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