名前:適当伯シャロロム
HP :0
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:4
剣技:
・裏切書簡 ・召喚剣<5/3/0/3/斬高高/スイーツ京子> ・召喚剣<5/0/0/2/魔魔魔魔魔魔魔/まくろの攻城兵器> ・召喚剣<5/5/0/2/毒毒> ・召喚剣<20/腰/骨/2/凹面鏡、合わせ鏡、余命三秒、女王命令/琥珀丸>
設定:
宰相ウツセミの密告政策により、適当伯領は血と裏切りが吹き荒れていた。ウツセミに裏切り者と見なされないために、人々はこぞって無実の仲間を売ったのである。
膨大な密告に対処するためウツセミは裁判を廃止し、定石と呼ばれる制度を新たに定めた。これは矛盾する訴えがある場合に、その訴えの内容や人数によってどちらの意見が正である確率が高いか、またどちらが正であるかは別として、被告の隣に住んでいる人間や家族が邪心を持っている確率はどの程度であったか、等の統計をとり、これに従って裁きを下すのである。この恐るべき時期、こどもたちの憧れの職業は1位が占い師で2位が霊媒師であった。
ウツセミを見かねたまくろはウツセミを前にしながら伯爵に提言した。
「しゃろろむ殿、このような者に政治を任せていては国が滅びますぞ〜!」
「しかし、ブレイスヴァは滅びるまい」
「ブレイスヴァは滅びません。しかしブレイスヴァは滅びでもあるぞ」
「国が滅びると困るだろうか」
「一般的には困りますが、個人的には困りません」
「わしも今それを考えておったのだよ」
これが歴史にその名を刻むアゲルトヘルトの三者鼎談である。鼎談はもともと三者会談を表す言葉であるが、命名者であるミュカレモントが「会談をちょっとかっこよく言った程度の言葉」だと思っていたため、頭に三者をつけてしまったのだ。これが誰からも指摘されず定着してしまったのは、シャロロム領の知識人たちがこぞって適当だったからと考えられている。
その後、伯爵の返答に失望したまくろは業務を終了して盾国ジニスターへ旅立った。
この時期、剣国と争っていたジニスターに、神経を逆なでしかねない練剣術師がなぜ赴いたかは不明である。案外まくろも適当だったのだろう、と伯爵は当時を振り返る。
ここに至りウツセミの悪評を挽回するため、適当伯領随一の厳密家、ウツセミの娘であるスイーツ京子が自ら前線で剣を振るうことを決意した。
これまでの適当伯領への貢献を考えると現在のウツセミの評価は低すぎる、と、厳密家の血が騒いだのである。
「な、なりませんぞ〜。京子ちゃんをそんな危ない目に合わせるわけにはいかないざんす!(テレパシストの皆様に特別なメッセージを用意する余裕もないほどの慌てぶりを表現いたしますぞ〜!)」
もちろんウツセミはこれに反対した。親として娘が心配であるし、だいたいこんなことしたら「ウツセミは売名のために娘を危険な戦場に送った」と悪評がうなぎのぼりなのは目に見えているからである。
しかし、京子は居並ぶ廷臣に向かって出陣の決意を述べた。
「血の愛が私を守ります。愛とは、愛するもののいなくなったあとも、その愛したものを愛し続けることです。私が戦死したら、私の愛したこの適当伯領をみなさんは愛してください」
これは最近よその国からやってきた商人から聞きかじった話が元になっており、京子はこの話を1回しか聞いておらずあまりよく理解していなかったので、説明も不明瞭なものとなった。愛については語っているが肝心の血の愛については何も言っておらず、血の愛が自分を守る根拠などもはっきりとしない。
しかし、居並ぶ廷臣たちはそもそも京子が何を言っているのかさっぱりわかっていなかったので瑣末ごとは気にせず、勢いに押されて「いいんじゃないっすか」と京子の言い分を擁護した。廷臣たちもやはり適当だったのである。
オーナー:niv
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