名前:S  
HP :0 
攻撃力:0 
防御力:0 
素早さ:4 
剣技: 
 ・裏切書簡  ・召喚剣<30/1/0/1/毒命/メロディメモリー>  ・召喚剣<5/0/0/3/鏡鏡鏡鏡鏡鏡/クイックシルバ>  ・召喚剣<5/5/0/2/重重/ダンガード>  ・召喚剣<5/5/0/2/斬斬/イガバッチド>
 設定: 
4.スマイル 
 
 鋭は笑わない。 
 あの人は、愛想がよかった。陽だまりのような温かな笑顔が、佳麻はとても好きだった。 
 愛していた。蜂須賀始を。 
 今はもうこの世にいないが。 
 
 桐間重工社長令嬢、桐間佳麻。 
 蜂須賀始に出会ったのは、十六歳のころだった。 
 始は音楽活動をしていた。柔和な表情とは裏腹に、作る音は攻撃的なものだった。佳麻には衝撃が強すぎた。鳥かごのように閉ざされた世界で生きてきた彼女に、一筋の光が差すどころか、雷が落ちて鳥かごが壊されたようなものだ。 
 佳麻は始に惹かれていった。しかし父親が反対した。佳麻を海外留学させて、届かない場所に置こうとした。 
 やがて始は結婚し、一児の子を授かった。 
 佳麻が戻ってきたときには、恋は既に潰えていた。諦めかけた。けれど諦めきれなかった。二十代後半になっても結婚する気は佳麻にはなかった。 
 そんな折にチャンスが巡る。 
 始の妻が亡くなった。死因は過労死とされているが、実際のところは不明だった。 
 佳麻は父に黙って始に近づく。枯れかけた恋を成就させる。始もまた、佳麻を強く抱きしめた。その胸中は計り知れない。拠り所が欲しいだけなのかもしれない。それでも佳麻は始を愛した。 
 始には、鋭という息子がいた。鋭を紹介されたとき、不穏なものを感じ取った。 
 笑わない。母親を亡くしたせいだろうか。 
 それも時間の問題だと、希望的観測を佳麻は持った。始がいればなんとかなると、彼女は始を信じていた。鋭と一つ屋根の下で過ごせるとも思っていた。 
 佳麻は令嬢の身分を捨てて、始の後妻に籍を置いた。 
 ところが始も亡くなった。二人だけが取り残された。佳麻と鋭。 
 そのショックで佳麻は気が狂っていく。鋭を虐待するようになる。熱湯をぶっかける。 
 鋭の魔法はこのとき初めて発現した。網の目のような無数の盾が鋭の皮膚を取り囲む。火傷はしない。佳麻は鋭がアベンジャーだと認めていく。魔法学会に通報し、鋭をすぐに引き渡した。 
 ふりだしに戻っていった。始を失い、鋭を捨てる。 
 蜂須賀とは縁が切れたと思い、佳麻は父を訪れる。しかし父は拒絶した。受け入れてはくれなかった。佳麻にはもう桐間重工に戻る身分はなくなっていた。 
 それから二年後、父の訃報。 
 殺したのは「ビィ」と名乗るテロリストだ。 
 
 
桐間佳麻:http://mgrt.the-ninja.jp/xdentropy/player.html#2 
桐間神威:http://stara.mydns.jp/unit.php?id=4030  
オーナー:かに
  
評価数:3 (utsm4)(utsm4)(kusa_hen)	   |