名前:S  
HP :5 
攻撃力:0 
防御力:0 
素早さ:4 
剣技: 
 ・裏切書簡  ・召喚剣<30/1/0/1/毒命/メロディメモリー>  ・召喚剣<5/0/0/3/鏡鏡鏡鏡鏡鏡/クイックシルバ>  ・召喚剣<5/5/0/2/斬斬/イガバッチド>  ・召喚剣<5/0/1/3/速熱熱衝絶>
 設定: 
5.スモーク 
 
 「魔法の粉」の原料は、百合鴎の管理している土地で栽培されている。 
 畑があった。青々とした地の花が整然と並んでいた。その植物は「デスキャベツ」と呼ばれていた。 
 
「爆ぜろ!」 
 ニット帽の少年が爆発の渦の中心にいる。ビィである。彼は畑を燃やしていた。デスキャベツ畑が消し炭へと化していく。ビィだけが何事もなく立っている。まるで台風の目のように。炎が彼を嫌うが如く。 
「燃えちまえ! 全部燃えろ!」 
 黒煙と白煙が交互に空へと上っていく。ビィは大きく息を吸うが、肺は煙を取りこまない。シールドが発動している限り、害を及ぼす物質は概ね弾いてしまうものだ。熱であれ刃であれ煙であれ。 
 ビィにとって盾は大きな武器だった。攻撃による反動を、気にせず攻撃できるからだ。彼が会得した戦術は、近距離による爆弾攻撃。すなわち自爆攻撃であったが、受動で盾が発動するためその身にさほどダメージはない。しかしダメージはゼロではない。ビィ自身も焼けつくような熱さに苦悶の表情を見せる。盾は飽くまで軽減であって完全に防げるものではない。 
 それでも彼は構わなかった。 
(奪われてたまるか! この魔法は俺が復讐するのに必要なものだ!) 
 感づいていた。 
 サンクチュアリを抜け出したのは、学会の意向を知ったからだ。アベンジャーから魔法を吸い出し、魔法の粉での記憶を消す。魔法の粉はオクマン製薬で作られており、その原料となるものが百合鴎の管理下となるデスキャベツの花だった。学会は粉をチョウジャ・オクマンから買い取っていた。そしてオクマン製薬は、彼の両親が勤めていた会社……。 
 学会はビィの敵だった。オクマンも百合鴎も敵だった。魔法の粉とデスキャベツをビィは憎みきっていた。 
 だから、燃やした。 
 煙が晴れていく。 
 けれどまだ曇り空だ。 
 
 
百合鴎:http://kaninovel.hp.infoseek.co.jp/text/xd/charactorxb.html#xb102 
チョウジャ・オクマン:http://kaninovel.hp.infoseek.co.jp/text/xd/xb.html#xbk00  
オーナー:かに
  
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