名前:S
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:4
剣技:
・裏切書簡 ・召喚剣<10/0/5/1/盾魔/マジックシールド> ・召喚剣<5/0/0/3/鏡鏡鏡鏡鏡鏡/クイックシルバ> ・召喚剣<5/1/0/4/衝衝衝衝/トラップくん2号> ・召喚剣<5/1/0/3/速熱衝衝死/Cの微熱> ・召喚剣<5/0/0/2/高斬/(奪剣ギールス)> ・召喚剣<5/0/0/4/速魔魔魔魔/(木の車輪)> ・召喚剣<5/5/0/2/斬斬/イガバッチド>
設定:
8.スレイヤー
鋭は赤い船から帰還し、チョウジャ・オクマンに復讐した。数々の不当がマスメディアに報道され、オクマン製薬株式会社はブランド力を失っていく。裏取引に使っていた魔法の粉が盗まれたため、経営の立て直しができずに破産した。
鋭はチョウジャを殺さなかった。赤い船での恵との出会いが彼を躊躇わせたのだろう。
しかしチョウジャは殺された。首を輪切りにされていた。鋭の武器では不可能だ。ならば誰が殺したのか。
闇は、動く。
一方で、恵にはやるべきことがあった。赤い船で見つけた人形を直すことだ。これは壊れている。一回だけ動いているのを見たことがあるが、またエンジンが切れたように頭をもたげて座っている。恵は唇を近付けて、魔力を吹きかけようとする。ふと、彼のことが頭に浮かんでその動きを止めていく。
(私には、関係ないのに。やだっ、もう!)
かぶりを振る。顔が真っ赤になっていく。抱きしめられた感触がいまだに背中を伝っている。筋張った手、変声期を迎えた声、泥臭い汗の匂い。
(私……、コクられて、いたのよね?)
胸の鼓動が止まらない。タイプじゃないのに。振ったのに。彼は悪い人ではないけど、いい人でもなくて、可哀そうな人で、ちょっと怖いけど優しくて。
(もったいないことしちゃったかなあ。でも彼って年下だし……)
だけど背伸びをしているところがまた可愛いなと、いやんいやんしているところ、人形がすっくと立ち上がる。突然だ。恵の胸へとしがみつく。
「きゃっ、ちょっ……! 取れな、あっ!」
人形を引っ張ってみるが引きはがせない。まるで強力な磁石のようだ。
恵が奮闘しているところへ、空から大きな箱が降る。すっぽりと覆われる。視界と意識が暗くなる。
夢を見る。
彼がいた。鋭でもビィでもなかったが、恵にはすぐに「彼」だと分かった。
そしてそれは恐ろしかった。盾が赤かった。炎のように、血のように。禍々しい気が盾から発せられている。あらゆる災厄を閉じ込めた盾。傷、熱、毒、害、鬱、病、邪……。
「あなたは、誰?」
尋ねた直後に後悔した。訊くべきではなかったのだ。
彼は振り向いた。無数の盾の隙間から横に広がった唇が覗く。
ゆっくりと名を紡ぐ。
「弑」
攻撃するのは自分と他人だけではなく。
全て――!
オーナー:かに
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