名前:S
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:4
剣技:
・裏切書簡 ・召喚剣<5/3/0/3/熱絶重/燃え上がれ俺の恋> ・召喚剣<5/1/0/3/速熱衝衝死/Cの微熱> ・召喚剣<5/0/0/4/速熱衝熱衝> ・召喚剣<10/0/4/2/護護/人間=うんこ> ・召喚剣<5/0/0/1/速死鏡鏡鏡鏡鏡鏡/マック・ポティエル> ・召喚剣<5/5/0/2/斬斬/イガバッチド> ・召喚剣<5/0/0/3/鏡鏡鏡鏡鏡鏡/クイックシルバ> ・召喚剣<35/0/3/0//岩窟人形維持二回目> ・召喚剣<15/0/0/2/護命命命回6/血の遺産> ・召喚剣<5/0/0/2/高斬/(奪剣ギールス)>
設定:
11.スリップノット
魔法の粉には記憶消去の効用がある。ただし副作用として高熱を伴うこともある。
ヘイルメリーは結婚詐欺の罪を犯し、赤い船に乗せられた。船上前に薬を打たれ、顔を覆面で隠された。その覆面を縄できつく固定されてロングコートを着せられた。
囚人ナンバー015。彼女は自身が何者なのか外から知る手段がない。
記憶のないままに殺し合いをさせられる。
「うう、うああ」
ヘイルメリーはボイラー室で身を固める。配管の影に隠れながら震えている。
(思い出せない……。わたしは何なの? どうしてこんなところにいるの? わたしはいったい……)
両手で顔に触れようとするが、そこにはやはり布がある。覆面を外せない。首にも手を掛けてみるが結び目が固くてほどけない。
「わわわわたしは。わたしはわたしはわたしわたしわたしたわたさわたしたわし」
掻き毟る。指がもうボロボロだ。どれだけ爪を摩耗させても縄が切れることはない。
何度やっても駄目だった。ヘイルメリーは失意に満ちてうなだれる。
「大丈……すか?」
「ちょっ……JuNちゃん! ボイラー爆発しちゃうよっ! あああぁぁ!」
どどーん。
船がくるっと360度回転した。重力感覚が麻痺してしまいそうになる。
「………………?」
「わー、びっくりしたわー」
ヘイルメリーは覆面の覗き穴から二人の少女を確認する。盾を持った紫色の髪の少女と、ストシューを履いた小柄な少女。
「あ、あなたたちは」
ヘイルメリーは女性が好きだった。相手が男であれば話しかけもしないだろう。記憶は消されていても嗜好は残っているようだ。
安心したようにして、ヘイルメリーは微笑を浮かべる。しかしその表情も覆面によって外から見えない。
「…………、……………………?」
JuNの唇の動きをヘイルメリーは目で追った。女はやはり味方だった。危害を加える意図はないと汲み取れた。ヘイルメリーは左耳が聞こえぬ。
右側にいるストシューの少女、えぬえむが話しかけてくる。
「その覆面、苦しそうね。綱に引っ掻いた跡がある」
えぬえむは槍の穂先でヘイルメリーの綱を切る。覆面がするりと剥けていく。
「わっ、美人!」
金色の髪がロングコードの肩に掛かる。ヘイルメリーは前髪を掻き上げ、露わになった両頬へと手を添えた。
「ありがとうございます。これがわたし……」
ヘイルメリーは記憶を戻した。魔法の粉V9のベータテストに失敗した。
チョウジャはルルーザ(監視者)から報告を受けて、傭兵を手元に呼び寄せた。
再度テストを行って、ヘイルメリーはまた記憶を失った。今度は思い出さなかった。共に行動をしていたJuNとえぬえむもその実験に巻き込まれた。
オーナー:かに
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