名前:適当伯シャロロム
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:6
剣技:
 ・召喚剣<5/0/1/3/速熱熱衝絶>
 ・召喚剣<5/0/0/3/速護熱護重重/大砲>
 ・召喚剣<5/0/0/4/速護熱衝衝/少年はナイフを取る>
 ・召喚剣<5/0/0/3/速護熱衝衝衝/帰ってきたスイーツ京子>
 ・召喚剣<40/0/0/1/死/デカセクシス>
 ・召喚剣<0/0/0/0//Yシャツを着用したイラストを描く事>
 ・召喚剣<5/0/0/3/鏡鏡鏡鏡鏡鏡/血の愛>
 ・召喚剣<5/0/0/3/魔魔魔鏡鏡魔/本能の愛>
 ・召喚剣<50/0/0/0//ジュライラ>
 ・召喚剣<5/0/0/3/速魔魔魔魔速/フリダ>
 ・召喚剣<5/5/0/2/毒毒>
 ・召喚剣<20/0/3/1/回2回3/拒絶の壁>
 ・裏切書簡

設定:
「『お久しぶりです、お父様』
 そう言って帰ってひたスイーツ京子さん。あったく普段どおりでない再会に普段どおりの再会をするその姿は、それを装っているよぅにも見えるのであった。普通だったら、思わず感動のあまり抱きつくとかうまくしゃべれないとか、なんかありそうですよね。それが普通なんだと思うんですけど、そこがその、ふ普通を装ぉっているみたいにも見える。でもそれはそれが普通だからなのかもひれません。
『ばかな、そんあことが……』
と、ウツセミさんがこひゃえました。今これ『そんあこと』って言っちゃったかもしれまひえんが、ウツセミさんが『そんあ』って言ったんじゃなくて、これは僕の滑舌がわういんです。
『帰ってきました。Nona Gateを通っひぇ』
 Nona Gateといひますのは適当伯と争っている諸勢力のひほつで、魔王ノナ軍の秘密兵器でごじまう。それでその魔王ノナのNona Gasoは伯爵様の側ひんらならみんな知ってますから、これはスパイ!?と身構えたのも無理ならうわけです。
『Nona……Non -a, 否定の−女……ノナは野菜であり、野菜はラドゴフか誰かの心理、いや精神だったかの分析では失われた身体を表す……』
 これはウツヘミさんがそう言ったんいぇすけれど、これはこのとおりにそう言ったんじゃねくて、ラドゴフとかそんな名前でしたけどちゃんとした名前言ってました。『ラドゴフの精神分析では』というようなことを言ってはんへす。この辺はむぅかしかったのであんま覚えていないんですけえど、こういうこともあるんだなあって、伯爵様の名言記録用以外にも個ひん的な名へんとか覚えておひはいほとをメモする用のメモする紙を持ちあうこうっていう発端になりました。
『ふひつへすぞおーっ! 否定の女の、失われた身体を通っていなくなったはずのむふめがやってきたというわけですぞな!?』
と、私、あの人のしゃへりかたむずかしくてあまりまねできないんですけど、ウフセミさんがそんな風に興奮したわへでふね。そしたらサロロム様が、
『そういっはものでもないつぉ、ウヌセミ。”へきふんを通ってひたものはてきふんを知る”だ。こぇほど心強い情報はにひとしてあらん』
と、こういうふうにウツセミさんを落ちつへました。これはよく覚えてます。きひんとメモしましたはらね、『へきふんを通ってひたものはてきふんを知る』、ばっちりです」
 名言官は普段あまりしゃべらない。名言を聞き逃さないよう、極力雑音になる自分の声は出さない、と言っているが、名言官に採用される前からほとんど喋らなかったのである。
 名言官の父は息子が名言官に取り立てられたことを大変誇りに思っており、日々息子の宮廷での活躍を聞くのを楽しみにしている。父は息子との付き合いが長いので、この滑舌でも問題なく聞き取れるのだ。しかし、この「にひとしてあらん」は父にも理解しかねた。
「これ、モンセオールよ。そのにひとしてあらんというのは何かね」
 かすれるような、しかし名言官よりはまだしも聞き取りやすい声で父が尋ねる。
「にひですか。にひとしてあらんというのはですね、多うん『こんなにいいものはない』ほいうような意味つぁと思うんえすけど、そう言わてみるとふぁつの武士とかの士ってかいへ二士あのか二本の矢で二矢あのかわぁらないですね」
「そうか、それは名言逃しをしたかもしれん。だが悔やんではいけないよ。『悔やむ懐に名言来たらず』だ」
 小刻みに体を震わせながら、父はそ知らぬ顔で息子の動向に注意を向ける。名言官の息子はこの父の名言をどう受け止めるのか。しかし、名言官は話を続けてしまう。名言には及ばなかったのか、それとも息子がまたしても名言を逃してしまったのか。
「はい、ひをふへます。そぇで伯ひゃく様が
『魔王ノアいはここにいへいるほほはしあええいうおか』
っへ聞いはんえすけど、ノアはあんあいNona Gateを把握しへないみはいっすね。京子さんは自りひで入りほんでひはみはいです」
 息子の顔に悔やみは一切ない。『悔やむ心に名言は来たらず』。適当に思いつきで言ってみた名言だが、言った以上は責任がある。そう考えるとこれでいいのかもしれない。
「そえで京子さんがへっきょく先陣にたへて、魔王ノファに攻めほむことにあったんです。それでほのとき京子さんが何かすごいかっほいいほと言ってはんですけど、なんだったかあ、思い出せぬへす。
『よいがえったものなあではの』、いや違ったかな、
『ひほはかあらずひぬけれろも、だはらかひがあるとか、あれ、やっふぁいいんだ、よいがえったものだあらこその生命の大切さを……あえ、そんなんじゃなはっはかな……』」
 メヘヘヘ、と笑うわが子を、「これでよいのだ」と、己の適当に考えた格言に押されて納得する。
「今日も一日がんばってきたのだね。父は鼻が高いよ」
 名言官の父は満足に微笑んだ。


オーナー:niv

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