名前:適当伯シャロロム
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:6
剣技:
 ・召喚剣<5/0/1/3/速熱熱衝絶>
 ・召喚剣<5/0/0/3/速護熱衝衝衝/帰ってきたスイーツ京子>
 ・召喚剣<5/0/0/3/速護熱護重重/大砲>
 ・召喚剣<5/0/0/3/速護熱護重重/足裏健康大砲>
 ・召喚剣<5/0/0/4/速護熱衝衝/少年はナイフを取る>
 ・召喚剣<0/0/0/0//Yシャツを着用したイラストを描く事>
 ・召喚剣<40/0/0/1/死/デカセクシス>
 ・召喚剣<5/0/0/3/魔魔魔鏡鏡魔/本能の愛>
 ・召喚剣<50/0/0/0//ジュライラ>
 ・召喚剣<10/0/5/1/盾魔/マジックシールド>
 ・召喚剣<5/0/0/3/速魔魔魔魔速/フリダ>
 ・召喚剣<50/0/0/0//閉塞の五度>
 ・召喚剣<5/5/0/2/毒毒>
 ・召喚剣<20/0/3/1/回2回3/拒絶の壁>
 ・裏切書簡

設定:
「いよいよ魔王ノナとの対面というときになって、使者が魔王軍よりやってきた。巫女ミトユヰである」
「すいません、まだ準備が整っていなくて……」
「戦といえど決まりごとはある。寝ている最中に不意打ちしたり、民間人に手をかけるのは道理のわからぬ外道や獣のすることだ。特に、将軍や王の演説中に突撃をするなどはもってのほかである」
「そういうこともあろうかと、食料は多めに持ってきてある。ここでしばし休憩するのもよかろう。しかし、我々も遊びに来ているわけではない。二日、三日と先延ばしにされてはたまらぬぞ」
「巫女はしばし呆けたように伯爵の顔を見られていた。このように見事な弁舌を用意もなく滔々と述べる伯爵の知性に恍惚としていたのであろう」
「準備というのはどういったことなのかね。なんなら、我々も協力できないではない」
「な、なんということですぞ伯爵殿! 感極まってなれなれしく殿呼ばわりですぞ〜! これから戦うという敵方にあまりに深い情け、この使者の巫女もあっけに取られておりますぞ〜!」
「実は、我らが魔王さまはあまりこういう音頭をとるようなことに慣れていなくて、演説文が出来上がっていないのです。せっかくこうして伯爵自らお越しいただいたのに、演説のひとつもできないようでは礼節に欠け、真に心苦しい次第なのであります」
「そうした苦しみは私もよく心得ている。差し支えなければ協力させていただこう」
「嗚呼! 私は今、生まれて初めて漢字表記の感嘆をしている! いったい、これまでに敵方の王の演説文を一緒になって考えるなどということを行った一国の主があっただろうか。私は今この時ほど、適当伯に仕えたことを嬉しく思ったことはない」
「今のところ出来上がっている原稿はこれです」
「巫女の差し出した羊皮紙を、形式に則って一度宰相ウツセミが受け取り、それから伯爵に手渡された」
「遠路はるばるよく来てくれたな、自らの墓標の地へ。我こそはnona gate、虚界の扉を開きしもの。貴様らも屠って死後我がしもべとしてくれよう」
「以上が魔王の書いた文である」
「少あいですね」
「と名言官が横から口を出す。一般的に演説文は400字前後が望ましいとされている。まれに原稿用紙10〜20枚程度の長大な演説文を用意するものもあるが、こうした文章は要点が定まらず、味方の兵の指揮にもよい影響は与えない。演説は味方を奮い立たせ、敵を震え上がらせるべきものなのである」
「Nona gateをつくったときの 苦労話でも 入れたらいいんじゃないかな」
「とダウィッド」
「うむ、しかし我々はNona gateの成り立ちをよく知らぬ……そういったことは触れずに400字程度考えねばなるまい」
「そもそも、魔王殿はこの戦にどういった意気込みをお持ちなのですかな」
「伯爵の旧友である料理人が尋ねる」
「どうって言われても……魔王様はあまりそういったことは語られないので……」
「しかし、そこが一番大事なのですよ演説とは」
「ないものをねだっても仕方あるまい。こういうときは、自分の立場になって考えるのだ……特に主張したいものもなく、しかし何かうまいことを戦場で言ってのけねばならない……そう、そういう時はまず自軍の軍備を誇る。そちらの自慢の軍事力を3つほど上げてみてはくれぬかね」
「不落を誇る石壁ヂヤシヴコヴヒ、暗殺に長けた邪僧ョヌヂ、それから幻術を得意とする不肖私、巫女ミトユヰ、でしょうか……」
「う・う〜む……この若干照れた様子の誇らしげな表情! 妻子持ちの私も思わずグッと来てしまいますぞ〜! それにしても伯爵様の、さりげなく敵方戦力を聞き出す手腕にはウツセミ脱帽でござんす!」
「ではこうしよう。『遠路はるばるよく来てくれたな、自らの墓標の地へ。石壁ヂヤシヴコヴヒの礎となるがよい。邪僧ョヌヂの闇に踊る刃がその墓碑銘を刻み、巫女ミトユヰの幻術がその惨状を故郷に知らしめよう』、これで80文字だ。先は長いな」
「あの、私の幻術は戦場での混乱をもたらすようなもので、蜃気楼みたいな感じで遠くへ連絡するような機能はないんですが」
「うむ、幻術という言葉だけで適当に考えてしまった。しかし、実際とは違う機能を宣伝して相手を混乱させる実用的な演説、というのも悪くないやらしれん。これぞ真の幻術とは思わぬかね」
「は、伯さく様、先ほどからの立て続けの名言、この名言官もウツセミ殿のしゃべり方がうつってしまった次第ですぞ〜!」
「名言に浮かれているときではないぞ、『我こそはnona gate、虚界の扉を開きしもの。貴様らも屠って死後我がしもべとしてくれよう』を入れてもまだ130文字程度だ……戦をするにも一苦労だな」
「あ、そういえば、この間何か赤い石をノナ様に渡しました。何かよくわかりませんが、なかなか大事なもののようでした」
「赤い宝石か、それをいただきとしよう。ウツセミよ、赤い石で何か一句読んでみよ」
「遅かったな、伯爵よ! 『赤の宝石』は既に手に入れた! 今こそNona gateは完成する。泣け、喚け。震え、怯えよ。その恐怖が血の赤の殺戮の王の降臨の前菜となるであろう……」
「よい出来栄えだ。それで行こう。なかなかお前はこういうことに才能があるのだな」
「ほうふうと、おなひ調子れ最後の部うんを脚ひょくすえば400文字いけそうれすぞ〜!」
「ではこうしよう。『我こそは魔王ノナ、恐怖のフルコースを味わい、舌平目を打つ闇の帝王。nona gate、虚界の扉を開きしもの。貴様らの血を我が喜びのソースとし、その悲鳴を食堂に流れるオーケストラとしよう……奮い立て精鋭よ、闇の饗宴のときは来たれり』」
「これで300文字くらいですね」
「最低でもあと50文字はないとかっこがつかぬな」
「あ、あの、もうだいじょうぶです! あと50文字くらいは自分たちで何とか考えてみます! こんなによくしていただいて、こんなに楽しい戦は初めてです。魔王様にも、たいへん素敵な方たちだったと伝えておきます」
「伯爵様、よいことをすると気持ちのいいものですな」
「まったくだ。我々の考えた演説が明日にも読まれるのだと考えると、達成感があるな」
「ほ、ほうひて適当伯軍の夜は更へへいった。魔王城の中では時ゃ遅しと残りの5でゅう文字を考へていうほほだあろう。まさに、事あいは一ひょく即発のほきを迎えはのだ」


オーナー:niv

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