名前:夢見る泣き虫
HP :35
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:4
剣技:
・ギルド証 ・大男ベアーグ ・Boost ・円楯 ・篭手 ・毒壺 ・Cracker ・毒壺 ・Cracker ・Assault ・Assault ・Assault ・段平 ・匕首 ・飄石9 ・飄石9 ・飄石9 ・飄石9
設定:
新米冒険者。ただの少年。
■今回のお相手■
どれだけの攻撃を受けようとも応えた様子もなく、むしろ傷が増えてゆく防具を誇らしげに掲げるその姿。
――勝てない。
その戦い方を見たとき、少年はそう思った。
算数の話をしよう。
仮に、少年が、限界まで熱を高めて、時間切れ間際の剣での一撃を狙ったとする
少年がAssaultの魔法を7つ準備したとして、それによる最終局面までの使用回数は、おおむね56回前後となる。
成功率70%を56回行ったときの期待発動回数は、39回である。
そう、これによる段平のダメージ量は、これから得るリソースをすべて体力につぎ込んだ彼女に、届かない。
確かに上振れを期待し、あるいは毒とクラッカーによる僅かな削りを加えれば、なんとか届きうる可能性も秘めているだろう。
だが、それはあまりにも天に全てを捧げるような戦い方だ。
どうするべきか。少年は悩んだ。
いっそ相手が深読みのし過ぎで、煙幕やResurrectを使うことに賭けて、体力に全てを振るか。
それなら相方との体力と合わせて判定勝利も狙えるが――。
――そんな相手任せの、運頼みの勝利を積み上げたところで、本当にお前がなりたい冒険者になれるのか?
少年はこれから戦う相手を見る。
彼女は、この二戦の間に鎧(ギルド長の私物)に出来た無数の傷を感慨深そうに見つめている。
次の戦いでその模様がどのように変わるのかと、期待の眼を輝かせている。
冒険者とは生き様だと誰かが言った。
それがどんなに奇妙であっても、自らの信念とともにそれに準じたのなら、それは冒険者だ。
勝つ負けるは運かもしれない。
しかし最初からその運に身を任せるような心で、自分も信念を見つけることが、信念を貫くことが、どうして出来ようか。
少年は考える。たとえ新米でもお前は冒険者なのだから、生きて酒場で笑い合うために、あらゆる知恵を尽くすべきだ。
たとえ新米でも――。
――新米ってのはいいなぁ、何からでも学べちまう
ふと相方の大男が、自分の面倒を見てくれていた時に、そうぽつりと言った言葉を思い出す。
そうだ。自分は新米だ。ろくにものを知らないくせに、何を一人で考えている。
お前がやるべきことは、他の仲間達から学んで、一歩一歩、成長してゆくことだろう。
その時ふと少年の脳裏にひとつの光景が思い返された。
先日戦った奇妙な二人組。
あの二人組が仕掛けてきたあの技。「大量の石を投げる」という技。
あれは結果的に相方が全て受け止めてくれたが、もしもあの石のひとつひとつがさらに高い火力とともに放たれていたら。
もしも、熱しに熱した力で、あの技を真似したとしたら――。
そうして少年の心は決まった。
覚悟を決めたようなその眼を輝きを見て、新米ってのはいいなぁ、と大男が苦笑していた。
オーナー:EscaeP
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