名前:ひつじちゃんのいなくなった世界(2)
HP :5
攻撃力:3
防御力:0
素早さ:3
剣技:
・蟲毒剣 ・蟲毒剣 ・蟲毒剣
設定:
本を読む時間が増えた。
相変わらずお部屋から出られない生活は続いているけれど、
電子モノリスから申請すればいつでも本をだうんろーど
することができるらしい。
市役所によれば健康で文化的な生活を送る権利があるからだって。
人をお部屋から出られないようにしておいて。変なの。
読んでいるのは洞窟探検隊の仕組みとか歴史とかの本。
模範的で勉強熱心なマリタイドであれば早く出られる事があるかも
しれないと役所の人は言っていたけれど、別にそういう目的で
読んでいるわけではない。世の中の、仕組みを知りたいと思ったからだ。
【やり直し】ってどうやるの?
洞窟って何なの?
洞窟のボスって何でいるの?
なんでボスは魔王って呼ばれているの?
なんで魔王を洞窟探検隊が倒しに行くの?
なんで私達はマリタイドって呼ばれているの?
市役所って何なの?
市役所から提供される情報だけでは足りなかったので、
こっそりパッションモノリスに接続して情報を補足する。
くだらない情報の中にもこれはと思うものがあった。
まだ足りなかったので、ダークモノリスにもアクセスする。
情報を補足する。足りない情報を推理する。
毎日その繰り返し。私にはそれができる時間があった。
本当に何にも私は知らなかった。
目を閉じた。まっくらな世界に私がいる。
そこから、もう一つ、瞼を閉じる。
暗い世界にもういっこ暗い幕がおりて灰色の世界になった。
心を閉じる。
これが私達がマリタイドと呼ばれている理由だ。
何かに迷った時に、自分が自分でいられなくなりそうな時に、
私達は心を閉じる事ができる。
私を操る何者かの糸を感じる。その者の意図に身を委ねる。
私ではない誰かが私を操り、守ってくれる。
そうやって、心が歪化して魔王になるのを私達は防いだきたのだ。
市役所の人が、政治家の人が、公務員っていう偉い人達が、
私達の主だと思っていた。そういう風に教えられてきた。
でもきっと違う。私達の主は他にいる。そういう意図を感じる。
真っ暗で灰色の世界でかすかに聞こえる声に私は耳を傾けた。
【世界は無意味ではないわ】
おんなの人の声が聞こえる。聞いたことのある声。
知っている。この人は私のお母さんだ。
【そうね。貴女を創ったのは私。私は貴女達の母とも言える】
お母さん!
聞いて。ヒツジちゃんが死んじゃったの。
ホタルちゃんとケンカして、どうにもならなかったの。
この世界はもうつまらないよ。生きていくのが辛いよ。
【やり直し】たい。
ホタルちゃんが、【やり直す】って言っていたの。
この世界は、【やり直せる】の?
教えて欲しいの。お母さんに私を委ねるから。
ヒツジちゃんとまたおともだちができるならなんだってするから。
【世界はつまらなくなんてない。】
【無意味でもない。】
【あなたが強く願うだけで、灰色だった世界はこんなにも色づく】
! 灰色の世界に、色がついている!!
【願って。】
【何かを変えたいと強く願う事でこの世界の法則は変わる】
【あなたの願いがこの世界の法則の一つ。この世界の原子の一つ。】
【そうやって生まれた原子が重なって、世界はできているのよ】
【そう。願いを正しく認識できたならば】
【心のありようを変える事ができたならば】
【え? 心を変えたら歪化して魔王になるって?】
【貴女のそれは魔王とは呼ばないわ】
【あなたは世界の法則を定める者】
【かつて、物理学者と呼ばれていた存在よ】
【さあ、物理学者ネリアルーム。貴女の願いを教えて】
私は━━━
オーナー:utsm3
評価数:4 (theta)(EscaeP)(winuin4038)(「こうやどうふ」) 先も気になりますが、なんか青いのがいる!?なんで?(笑) (「こうやどうふ」)(03/23 21時08分04秒) |