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(出典：マーガレット英雄譚ブレイドバラード)

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　剣の道は同源であり、西方も東方も変わりなく最後には同じ場所に辿り着く。
　山に登るようなものだ、どの道を辿ろうと頂きは同じ。

　理屈ではわかるが、感覚としてはそうでない。
　自らだけの極み、自らの流派のみが辿り着ける境地が存在するのだと、そういう理想を捨てることができない。
　無駄な拘りであり、意地である、と。他人に言わせればそうなのだろう。
　だが、私にとっては—―

---

　剣舞会。
　見世物にされるのはあまり得意ではない。
　ならば何なら得意なのか、と心の中で自嘲した。
　ここに来てからの自分は、「これは自分の得意ではない」と誤魔化してばかりだ。
　答えはいつ見つかるのか。いや、違う。こんなものは、自分にとって都合のいい答えが来るまで待っているだけだ。
　探しているわけですらない。
　なら。加熱一刀流の存在意義とはなんだ。

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(出典：マーガレット英雄譚ブレイドバラード)

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　加熱一刀流という呼び名は、当然ながら本名ではない。
　彼の振るう剣、その流派の名だ。

　この名乗りの独特なところは、使い手に『加熱一刀流』以外の個性を剥奪するところにある。
　剥奪と言えば人聞きが悪いが、要は「加熱一刀流の使い手、それ以上の個性を持てないなら、個人としての名乗りは必要ない」、ということだ。
　彼は未だ、加熱一刀流のままである。

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(出典：マーガレット英雄譚ブレイドバラード)

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「ここまで来れば、妙に立ち止まるのは無粋だろうさ」

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　何やら妙なこともあったが、最後はこれだろう。

　加熱一刀流は、魔剣を手に取った。

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