名前:エルビュート・ゼノスタイム
HP :5
攻撃力:5
防御力:0
素早さ:2
剣技:
・内なる化物 ・形態変化<15/6/0/4/斬斬斬斬/エルビュート・ゼノスタイム最終形態> ・斬撃剣 ・斬撃剣
設定:
『愛と哀しみのランタノイド・エルビュート外伝』
――――過去のメモ帳より
1.プロローグ
やっとの思いで幸せを掴んだ矢先、愛する人の亡骸がそこにあった。言葉で表せない激情で満たされた瞬間、僕の身体は化物になっていた。何も考えられずに、ただただ、そこにあったものを破壊をしつくすだけの化物。そんな僕の姿を僕は遠くで見ていた。まるで額縁に入った絵画のように。
2.ゼシカ
時は遡ってエルビュートが生まれる数十年前。世界では超能力を持ったミュータントが現れ始め、各地では様々な研究所がミュータントを研究していた。そんな中、ある研究所で人工的にミュータントを生み出す実験が行われた。そこで誕生したのがゼシカ、後にエルビュートの母親になる女性である。ゼシカは何の疑いもなく研究所で育った。だが19歳のある日、研究所の職員であったエルヴィラート、後にエルビュートの父親になる男性によって、ゼシカは研究所から連れ去られる。エルヴィラートの目的は、ゼシカを利用してミュータントの遺伝子を持った者をを繁殖させ、世界を混乱に陥れることだった。エルヴィラートの目的など知らずに、ゼシカは彼に惹かれていき、遂には彼の子供を孕む。だがその直後に、指名手配されていたエルヴィラートは逮捕され、その後の一生を刑務所で過ごすことになる。残されたゼシカはエルヴィラートとの子供であり彼の形見、エルビュートを産み、その子を育て強く生きていくことを誓う。それからゼシカは数年間、エルビュートを育てながらエルビュートと共に過ごす。エルビュートはエルヴィラートそっくりに成長する。だがエルビュートは生まれつき怪我をしてもすぐに自然治癒する超能力、すなわちミュータントの性質を持っていた。それでもゼシカとエルビュートは穏やかに幸せに暮らす。だがそんな日々も長く続かない。ある日ゼシカは、かつて自分を収容していた研究所に見つかってしまう。幸い研究所にエルビュートの存在は知られていなかったが、このままではエルビュートの平穏が失われかねないと危機感を抱いたゼシカは、エルビュートを守るためミュータントの力を覚醒させ形態変化する。ゼシカは想像よりも強大な化物に形態変化していた。研究所は為す術もなく撤退。だが形態変化した瞬間に理性を失ったゼシカは、そのまま街を破壊し始める。街は一瞬にして壊滅状態になり、まもなくゼシカに軍の攻撃命令が下りる。軍に多大な被害を及ぼしながらも、ゼシカは軍にやっつけられて死ぬ。
3.エルビュート、ほるみとの出会い
街が壊滅状態に陥りながらも、なんとか生き延びたエルビュート。化物の正体が母親であることを隠し、化物に母親が殺された体で孤児となった。まもなくエルビュートはゼノスタイム夫妻の同情を得て養子になる。そして新たな家の近所に住んでいた少女ほるみと出会う。ほるみはエルビュートに対して、かなり友好的であった。ほるみの存在はエルビュートの母親を失くした心の隙間を優しく埋めた。それからエルビュートは、ほるみに強く依存し始める。だがエルビュート本人は、ほるみへの依存を恋心だと勘違いしている。月日は流れ、エルビュートとほるみは共に成長する。エルビュートとほるみは仲の良い兄妹のように育った。エルビュートにとって、ほるみが、かけがえのない存在であるように、ほるみにとってもエルビュートが、かけがえのない存在であった。だが二人が大学生になった時に、ほるみは香取に恋をする。ここから先は『愛と哀しみのランタノイド』本編を参照。
3.5.『愛と哀しみのランタノイド』本編のネタバレ
・ほるみが香取にベタ惚れでグレたエルビュートは、世界滅亡をもくろむ悪の組織に加入する。再生能力を持つ彼は戦闘員として活躍する。
・だが悪の組織は志半ばで制圧され、逃亡した組織員も皆、指名手配される。
・ほるみは香取とは結ばれなかった。
4.『愛と哀しみのランタノイド』後日談 side:エルビュート
指名手配犯となり追われる立場となったエルビュート。ほるみを置いて逃げるつもりだったが、何故かほるみはエルビュートに付いていくと言う。二人で逃避行を続けているうちに愛情が芽生え、やがて二人は結ばれる。安息の地を求め旅する二人。だがその途中で悪の組織に家族を殺されたと言う男と出会う。その男は悪の組織の元組織員への復讐に燃えていた。エルビュートはその男を迎え撃つ気でいたのだが、ほるみの存在という弱みを握られてしまう。そして最終的には、ほるみを殺されてしまう。そのショックからエルビュートは化物に形態変化する。ミュータントの力を覚醒させ、母親であるゼシカよりもずっと強大な化物に形態変化したエルビュート。彼に理性など全く残っておらず、化物は街という街を、国という国を破壊しつくした。いつしかエルビュートの存在は世界の脅威になっていた。彼はたくさんの攻撃を受けた。だが、ほとんど効かなかった。そんな中、米軍がエルビュートに核攻撃を仕掛けることになった。エルビュートに撃ち込まれた核弾頭は、大きな光と共にエルビュートを蒸発させていき…………エルビュートは死んだ。人類に多大なる犠牲を負わせて。
5.エピローグ
壁に掛けてあった額縁を外して、僕はその絵画に布をかけた。残ったのは何も無い白い空間。僕が呆然と立ち尽くしていると、後ろから僕を呼ぶ声がした。振り返ると、そこには既に死んじゃったはずの"あの娘"がいて、ずっと僕のことを待っていた、と言う。次の瞬間、僕は何故かその娘の手を引いて、黒い宇宙空間の中、空色の階段を上っているんだ。階段を上りきった先には扉があった。僕はその娘と手を繋いだままその扉を開くと、そこには1本の木があった。僕たちは、その木の下で話をした。たくさん、たくさん話をした。僕がまだ君に出会う前、実の母さんと暮らしていた時のこと。母さんを失って心の拠り所を失っていた時に、君に出会ったこと。初めて君に恋をしたこと。君との恋路が上手くいかなくて悩んでいた時のこと…………"あの娘"は、笑って聞いていた。…………そこで、僕は気付くんだ。もう二度と、戻れない場所に来てしまったんだ、と。
それは、僕がずっと求めていた幸せだった。
オーナー:osakana
評価数:4 (theta)(「こうやどうふ」)(kusa_hen)(ポーン) ライフ9は再生能力だったのですね。設定も絡んだ仕様だったとは!エルビュートさんお疲れ様。 (「こうやどうふ」)(10/15 18時23分22秒)
ほるみーッ! (kusa_hen)(10/15 23時45分11秒) |