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ドラフト4位入団ながらも、ルーキーイヤーからリリーフ投手として抜擢され、幾度もの好救援を演じてきたサイドスロー左腕。ルーキーを凌駕した抜群の安定感と勝負強さ。彗星のごとく現れた超絶セットアッパーに球界は釘付けになった。シーズンを通してホールドを積み上げ、ルーキーながら最優秀中継ぎ投手賞を獲得。防御率0点台という驚異的な数字も相まって、文句なしの新人王に輝いた……期待され迎えた翌年だったが、度重なる故障で登板数は激減。防御率も2点台にまで落ち込み、苦しい2年目となった。そして再起をかける3年目……1点リードで迎えた9回、クローザーがピンチを招いてしまった。先頭打者にヒットを許し、続けざまにフォアボール。その次は内野ゴロに打ち取るがランナーは2、3塁に進塁。最悪の盤面になった。1アウトで得点圏に2人。外野フライでも同点に追いつかれる上に、万が一ヒットでも打たれればサヨナラ負けだ。ネクストバッターズサークルには球界を代表する左打者。チームは絶望に染まった。ただ一人、マウンドに向かう彼を除けば……彼は昨年の暗黒時代の中でも、代名詞と言えるスライダーに磨きをかけていた。一言でスライダーと言っても彼は4つほどの球種を操る。それらはリリース時点で見分けがつかず、軌道も途中までは一緒だが、打者の目の前で予測不可能な変化を起こすのだ……さあ。打者を翻弄する準備はできた。欲しいのは三振。勝負しようぜ。

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(theta)(「こうやどうふ」)