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父祖の代より石を積み上げている。
左右まで途切れているところは見えず、知る限りでは無限に続いているこの城壁を、延々さらに高くし続けている。
北方の蛮族の侵入を防ぐためと言われているが、生まれてこの方、蛮族というものを見たことがない。伝え聞くところでは祖父の祖父に遡るまで、蛮族の現れた試しはないという。
城の建設を命じた王にしてからがすでにこの世に亡いとも言われているが、亡くなったのはつい最近であるようにも、祖父やそのまた祖父の代であるとも言われている。

これに何か意味があるのか、という問いはよく立てられるものであり、それには人が生き殖えることに意味はあるだろうかという質問が返されるのが慣例となっている。

いつかこの城が天に届くこともあるのだろうか、と考えてみることもあるが、それはもちろん自分の代にではない。

賽の河原とはこんなものだろうか、とも時おり考える。

オーナー：niv

(出典：鍛錬杯)

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