名前:ロウデュリオ
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:3
剣技:
 ・仕込剣
 ・鏡の剣
 ・鏡の剣
 ・魔法剣
 ・跳躍剣3
 ・跳躍剣5

設定:
霧の街にある富豪の家で生まれた女性。
彼女は家の”モノ”として扱われ、私生活と呼べるものも心打ち解ける友人もいない。
ある日、僅かな彼女の空間である部屋、その窓辺に青年が現れた。
青年は雇われ者の芝刈り師だった。身なりからして貧民街の人間だとわかった。
初めは蟻をみる子供のように彼を上から観察していたが、次第に手を出してみたくなり、彼女は彼に声をかけた。

―・・・彼女は彼女なりの処世術として、他人に高圧的、我侭、気まぐれに迫る所があった。街一番の富豪の娘、そのステータスが彼女の生き方、人との接し方を固定してしまった。
どうせ、対等に話をできる人はいない。話相手は必ず自分を卑下するか、私を僻むのだ、と。
故に彼女は真面目に人と取り合うことはしなくなった。

そして、彼にも高みから同じように話しかけた。
「ねぇ、貴方はそんな所で何をしているの?」
「君は誰だい」
「私はロウデュリオ、この家の娘よ」
「ロウデュリオっていうんだ」
「貴方は?」
「リュオだよ、芝刈りをやってるんだ。ここの芝は短いのに、切れ、切れ、って家の人がうるさいんだ。もったいないよね」
「…でもそれが貴方の仕事でしょう?」
「うん。だけど、本当は好きじゃないんだ。芝も枝も自由に伸びようとしている。それを僕なんかが勝手に切るのは本当はおこがましいことなんじゃないかねって」
「変なことを言うのね。芝は喋らないし、木は動かないでしょう?」
「本当は喋れるし、動けるよ。でも皆遠慮してるんだ。喋ったり動いたりすると、根こそぎ引っこ抜かれちゃうから」
ロウデュリオは感じた。この青年は世間一般の常識から外れた所で生きていると。貧民街という出からも、まともな仕事も回ってこなかったのだろう。
しかし、彼女は彼を哀れむことはけしてなかった。むしろ、その奇異さを面白いと感じていた。
「ねぇ、貴方。私の付き人をしてみない?今より、いい給料が出るし、楽よ」
「イヤだよ」
予想外の言葉が返ってきて、ロウデュリオの自尊心は少なからず傷つけられた。美人で、富豪の家の娘の誘いを断る人間は彼女の世界にはいなかった。
「もし、僕がここを離れたら、誰かが芝と枝を丸ごときっちゃうかもしれないじゃないか。そうなったら僕は泣くしかない」
「…そう、じゃぁ勝手にしなさい」
彼女はばたん、と窓を閉めた。


オーナー:nitoro

(出典:マーガレット・時の支配者)

評価数:1
(utsm4)


名前:ロウデュリオ
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:4
剣技:
 ・仕込剣
 ・鏡の剣
 ・鏡の剣
 ・鏡の剣
 ・跳躍剣3
 ・跳躍剣5
 ・デス剣
 ・魔法剣

設定:
雨の日も、嵐の日も青年は芝を刈り続けた。
いつの間にかロウデュリオはそれを2階の窓から見下ろすのが日課になっていた。
付き人の誘いを断られて以来、彼とは口を聞いていない。
ただ、見下ろす。それだけ。
たまに彼と目が合うとロウデュリオはすぐさまカーテンを閉めた。
気にはなるが、再び自ら声を掛ける事は彼女のプライドが許さなかったのだ。
ある日、彼女の部屋にメイドが来た。変な熊のぬいぐるみを片手に。
「お嬢様、あの、このぬいぐるみを・・・」
差し出されたぬいぐるみを手で取り、眺めながらロウデュリオはたずねた。
「誰がこれを?」
「リュオという家で芝刈をしている青年です。あと手紙もこちらに」
ロウデュリオは手紙を受け取るとその場ですぐ封を開けた。


”僕のほうを見て、とても寂しい目をするから、家に入れない僕の代わりにこのぬいぐるみを送ります。”

お世辞にも綺麗とは呼べない字で手紙にはそうつづられていた。
「ア、アハハハハッ!!」
しばらく目が点になったが、唇の端を吊り上げ、ロウデュリオは哄笑した。
きょとんとするメイドの顔を尻目にはしたなく、大きな声で彼女は笑った。

翌朝、彼女は彼に声を掛けた。二階の窓からではなく庭先で。
片手にはあの熊のぬいぐるみを持って、彼に話しかける。
「――ねぇ、貴方」
彼は呼ばれてふいっ、とロウデュリオのほうを見た。その瞬間胸元にぬいぐるみが飛んできた。思わず、キャッチする。
「それは返すわ。同情のつもりならよして、私はそういうの好きじゃないの」
「あれ、熊は好きじゃなかった?」
「そういう問題じゃぁないわ。ぬいぐるみ事態、子供っぽくて好きじゃないの。それに淑女への贈り物がぬいぐるみだなんて、ナンセンスだわ・・・ねぇ、もう一度聞くわ。貴方私の付き人をしてみない?」
「でも僕には芝が」
「芝刈の仕事をしながらで構わないわ」
ロウデュリオの提案に、リュオは僅かに思索を巡らして
「それなら喜んで」
屈託なく笑った。


オーナー:nitoro

(出典:マーガレット・時の支配者)

評価数:1
(utsm4)


名前:ロウデュリオ
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:5
剣技:
 ・仕込剣
 ・跳躍剣2
 ・跳躍剣3
 ・跳躍剣4
 ・跳躍剣5
 ・デス剣
 ・鏡の剣
 ・鏡の剣
 ・鏡の剣
 ・魔法剣

設定:
全くの私用で、かつ、全くの自由な時間にロウデュリオは久しぶりに街へ下りた。付き人数人とリュオをつれて。
しかし、リュオ以外の付き人は家を出てすぐにロウデュリオの命令で離れるよう命じられた。
ロウデュリオはリュオと二人で、霧の掛かった街を歩く。
会話はなく、淡々と街道を歩き続ける。

・・・ここ霧の街はその名の通り、昼夜を問わず霧が街を包むので、外へ出るときはランプが欠かせなかった。
ロウデュリオが腰に下げているランプは名工が手がけたもので、シンプルながらも美しさと繊細さが備わっていた。
彼女がそのランプに手をかけた時、彼女は後ろからの熱い視線に気が付いた。
よく見るとリュオがずーっとランプを凝視していたのだ。
「貴方、このランプがそんなに気になるの?」
はっ、とした顔でリュオはロウデュリオに視線を合わせた。
「あ、うん、良いランプだなーって・・・」
「ランプなんてこの街では珍しいものじゃないでしょう」
「僕は、持ってないんだ。ランプ。お金がないから」
「・・・・・・」
貧民街で生きている人間は、ランプを持つ金もない。
灯りを持たぬため、朝霧の中をさ迷い、車引かれる者もいるという。
リュオも芝刈りの仕事だけでは、生きていくのが精一杯でランプなど買えないのだろう。
「そういえば、付き人としての給料を払ってなかったわね」
「・・・?」
ロウデュリオは腰からランプを外して、リュオのほうへ振り向き、自分のランプを手渡した。
「え、いいのかい?」
「それは上げるわ。言っておくけど同情だと思わないで頂戴ね。あくまで貴方が私の付き人をしている、その報酬よ。それに私にはまだ他のランプがあるもの」
「ロウデュリオ・・・有難う」
「礼を言う必要はないわ、当然の報いを果たしただけよ」
「あのさ、良かったら工場によっていいかな?」


オーナー:nitoro

(出典:マーガレット・時の支配者)

評価数:1
(piyo)