名前:行科 宮 【現実より】
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:2
剣技:
 ・召喚剣<10/0/0/3/速熱護衝絶/堂々巡り>
 ・召喚剣<0/5/0/3/高高/鼓動>
 ・召喚剣<25/0/0/2/斬護護/思考停止>
 ・召喚剣<10/0/0/3/速熱熱衝絶/体温>
 ・召喚剣<5/0/0/3/鏡鏡鏡鏡鏡鏡/何も見たくない>

設定:
『きょうはのらないで』
てまりの背をさすりながら、八は先程別れた、自分を跳ね飛ばした男の事を思い出していた。
「……?」首を傾げる。足元のてまりが嗚咽する。
とりあえず八は一緒にしゃがんでてまりを撫でてやる事に専念した。

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宵闇の中を、風を切ってバイクが進む。
対向車どころか通行人も他の車も見当たらない異常事態に、漸く行科の思考が動きを取り戻す。
路肩に停まりまた携帯を開く。
ディスプレイに映った時刻は先程とはまた違った異様な時刻だった。

軽く舌打ちして、GPS……地図機能を始動すべくメニューボタンを押す。
……と同時に着信が掛かってきた!指は止まらず思わず非通知の着信を取る。

「……もしもし?」
呼びかけてみるが、スピーカーの向こうからは何も帰ってこなかった。
10秒待ってやったが一向に喋らない。行科は舌打ちして通話を切った。今この状況で長々と相手が話し出すのを待ってやれる余裕なんてものは、行科には無かった。


GPS機能は結局動かなかった。
行科はバイクを走らせる中、先程の電話を切った事を後悔した。
そもそも携帯圏外になっている中、どうして掛けてこれたのか、それとも単に奇跡的な電話だったのか。
「ああクソッ!!」心からの苛立ちを久々に口に出す。

30分ほど走り回ったところで、一向に風景は変わらず住宅街だった。
住宅街としてこんなに静かなのも、人気が無いのもおかしい。何より広すぎる。


「はぁぁぁ……」大きく溜息を吐いた。
ピザが冷める。まずはそう思ってしまうのがアルバイターの悲しき性だ。
「何処なんだ、ここ」ハンドルに項垂れる。

「……っ!!」
ふ、と自分の足元が曖昧になったような気がした。「んだよ、気持ち悪りぃ……。」
おぞましい感覚に足を思わず払う。……闇が深すぎる、周りが暗すぎただけだ。そう思うことにした。
しかし暗闇と静寂は、少しずつ行科の精神に悪影響を来たしていた。
「どうしてこんな事、ばかり……」思考が次々と口から零れる。
「真っ暗だ」「普通の生活がよかったのに」「本当に、誰もいない」「……俺はどこに行くんだ?」


オーナー:elec.

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