名前:白紙画家シャンヌヤ
HP :20
攻撃力:0
防御力:2
素早さ:3
剣技:
 ・絶望剣
 ・鏡の剣
 ・魔法剣
 ・魔法剣
 ・魔法剣
 ・魔法剣

設定:
天才画家シャンヌヤ。彼が「白紙画家」と呼ばれるようになった経緯はあまりにも有名である。

シャンヌヤの前期作品は、ブレイスヴァに怯え、逃げ惑う群衆が主なモチーフとなっている。
当然、ブレイスヴァに相対して怯え、逃げ惑う暇などありはしない、とカシュラムの誰もが口を揃えて抗議した。
それに対して、シャンヌヤは静かに首を振りながらこう答えたとされている。
「それじゃああなた方はブレイスヴァが恐ろしくないのですか。私は逃げられないとわかっていても、逃げようとするでしょう」

シャンヌヤ32歳の年、ある事件が起こる。
そう、あの忌まわしきラムダスバスハ橋の惨劇である。
シャンヌヤは橋の近くの宿に滞在し、橋の画を描いていた。
そして、ブレイスヴァが62人もの人間を弑した現場をもしっかりと見ていた、と主張したのだ(おそらくこれは誇張であろう。ブレイスヴァの姿を見ておきながら、生き延びたなどという事は到底信じ難いことである)
それを切っ掛けに、シャンヌヤの描く絵は一変して穏やかなものになる。
ある種牧歌的ともとれるその絵は、しかしどこか寂しさを感じさせる色遣いで人々の心を引きつけてやまなかった。

晩年、シャンヌヤは再建されたラムダスバスハ橋の絵を描く、と家族に告げ、一人で宿に逗留して絵に没頭したという。
その期間は二年に及んだ。

そして、絵は完成した。
完成した絵を携え、シャンヌヤは身内の集まる夜会へと突如姿を表した。
シャンヌヤの絵を見た誰もが涙を流した、と言われている。その涙がどんな意味を持っていたのか、私たちにはわからない。

次の日、シャンヌヤは自室で死体となって発見された。
その表情は恐怖に怯え、靴は半分脱げていた。

驚くべきことに、前日誰もが涙したシャンヌヤ最後の絵は、キャンバスからきれいに消え去っていた。
その絵はまさにシャンヌヤの魂の分身であったのだろう。シャンヌヤの死と同時に、弑されてしまったのだ。

現在でも、カシュラム中央美術館に行けば、その白いまっさらのキャンパスを見ることができる。
我々はその、純白よりもなお白いキャンパスの輝きの中に、シャンヌヤが込めた魂と、ブレイスヴァの脅威を感じ取ることができるのだ。


マシュラム通信コラム「カシュラム観光AB弑」
カシュラム中央美術館の項より抜粋


オーナー:piyo

(出典:マシュラム杯)

評価数:1
(takatei)


良い物語ですね (takatei)(03/14 00時04分49秒)