名前:桐来 八【Dead_or_Undead】
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:4
剣技:
 ・召喚剣<0/3/0/4/高高高/三点リーダ>
 ・召喚剣<5/0/0/3/速護熱衝絶絶/地の文>
 ・召喚剣<30/0/0/2/盾盾/栞>
 ・召喚剣<0/4/0/3/高高高/インデント>
 ・召喚剣<5/1/0/4/熱熱斬斬/行間>
 ・召喚剣<50/0/0/0//物語の端>

設定:
 この桐来八という人物に対しての疑問は、多い。
 頑なに肌を見せないこと。コンプレックス? ずっと病院にいるのに、一度も何も食べていないこと。飲んでもいないこと。トイレにも行かないこと。というか、なんでずーっとここにいられるんだろう。ケータイを持っていないこと。どこに住んでいるかも分からない。
 でも、私は尋ねない。踏み込まない。
 まばたきをしないこと。息をしないこと。ふとしたきっかけで素肌に触れたとき、体温がなかったこと。どことなく、生気が感じられないこと。
 尋ねない。私は知らないでいい。
 目の前で、表情豊かに振る舞う彼女の素振りは、それを隠そうとしているのが分かった。自分が、他人に見せるのと同じ素振りだったから。きっとそれを突けば、容易に、何かが、例えばこの不思議な友達関係が崩れてしまうのは、分かっていた。分からないことがたくさんあっても、それだけ分かっていれば、少なくとも続けられた。
「でね、そしたらオジさんの後頭部めがけてね――」
「なにそれ超ウケるw」
 それに私は、八のお陰で、救われていた。一人で天井を見上げているよりは、よっぽどマシな入院生活だったろう。今の私には、どうしても考えてしまうことがあった。目を閉じて、眠りに落ちるまでの2時間。トイレで座っている間。渦巻く味噌汁を眺めている間。
 八がいる間も、それを忘れた訳じゃない。ふとした瞬間にそれを強く認識して、言葉が途切れてしまうこともある。でも、八の、そんな私を見る目がどうしようもないくらいに優しいから。泣き出してしまいそうなほどに。
 私も八も、お互いのことは何一つ、本当に何一つ知らないのに、その憂鬱の底では、どこか、共通しているものがあった。それは、一方的な勘違いかもしれない。きっとそうなのだろう。それでも、私は八を必要としていて、そして八もまた、私を、必要としていてくれるのだ。
 私は、今日、退院する。
 ずっと頭で考えていた続きを。うんざりするほど、不気味に揺れ続けているような日常を、私は再開する。数日ほど前までにはそんな勇気なんてなかったけれど、きっと私は頑張れる。八だって上手くやっているんだから。もしダメだったとしても、私はここに戻ってこれる。ダメじゃなくても会いにくるけどね。
「てまりさん、検査の時間です」
「あ、はい。……それじゃ、八、またね」
 小さく手を振ると、八は満面の笑みでそれを返す。「うん、またね」

 そして私は――
「ただいま」
 家に、戻ってきた。


オーナー:clown

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