名前:静原てまり 【Dead_or_Undead】
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:6
剣技:
 ・召喚剣<10/0/0/4/熱熱衝衝/宮のマチェット(中)>
 ・召喚剣<20/0/0/2/命命鏡鏡/水色のパーカー>
 ・召喚剣<5/0/0/3/魔魔鏡熱絶絶/開かずのコンパクト>
 ・召喚剣<5/1/0/2/速速絶衝絶衝/携帯についたストラップいっぱい>
 ・召喚剣<20/0/0/2/速熱盾重/宮のマチェット(やや重)>
 ・召喚剣<10/5/0/1/高毒/お気に入りのリストバンド>
 ・召喚剣<10/0/0/3/速速熱衝衝/泥のついたスニーカー>
 ・召喚剣<20/0/1/1/死護/宮のマチェット(重)>
 ・召喚剣<15/1/2/2/熱斬/丈夫な手提げ(民族調の刺繍入り)>
 ・召喚剣<25/0/0/2/死死命/ピンクのミトン>
 ・召喚剣<35/0/3/0//コンソメパンチ>

設定:
宮の新しいバイト先は、また別のピザ屋で。
(どうも、バイクに乗ってないと駄目らしいな、俺は…)
バイクなんか、本当はいい加減やめるべきなのかもしれない。過去と決別したいのなら。
でも以前のようにバイクに乗っていれば全くの無心というわけでもなかった。夜の道を走る宮の心を、無心と、不安と、雑念が、一定のリズムで通過する。
不安の内容はいろいろ。将来のこととか(いつまでフリーターをやる気?)(などという平凡で深刻な悩み)(笑)、バイトはうまくいってる。社割でてまりにピザを食わせてやれるし(おごるわけではない)。

…そうやって、誰かの笑顔を思い浮かべること。絶望や孤独でなく、暖かさと少しの痛みを伴って。
(「宮」)
(「みーやっ」)
そんなことが、俺にもまだできたんだって。
痛みの正体を俺は知ってるんだ。いつか失われることへの不安?そうともいうけど、でも、俺が「生きてる」ことの、証拠。

ピリリリリリ

携帯が鳴った。
空は藍闇、町はあかく、チカチカと車のバックライトは無数に赤く。バイクは道の脇にとめた。
「てまり?あのー、仕事中なんですけど」
『宮っ、みや…!』
てまりは泣いていた。
「どーした?」
『八がいないのぉっ!帰ったら…、どこにもっ…!』

大切な人の顔が、不安とともにガーッと胸中を占めたが、声は平静を保つ。
「どこにも?…八のことだし、そのへんフラフラしてんじゃね?公園とか。」
『うんっ、うん…。公園はいなかったけど、もうちょっと探してみる。バイト中に電話してごめん?』
「おい、待てよ。子どもじゃないんだしすぐ帰ってくるって。じっとしてろ」
『えっ、…う、うん』
と、一旦携帯を切りかけるが、
「ちょいま」
パニック状態のコイツを部屋に一人で置いとくのはヤバい。非常にヤバい!
「今すぐ俺が行くから。それまで大人しく待ってろ!あ、テレビでも見て待ってろよ?絶対!!」

見れば車も、トラックの割合が増えてるし、てまりが心配しても当然の時間帯だった。
「どいつもこいつも、手がかかるっ…!」
手がかかるといえばあの女も別な意味で面倒くさい女だったが、どうも俺はそういうのにつきまとわれる運命らしい。
「大丈夫だ。絶対…」
つい、最悪の事態を想定しがちな自分の心を戒める。でもそれが、(もはやイコールで未来の拒絶というわけでもなく。)
「大丈夫……」
てまりの泣き声と八の顔が、脳内でドラマチックにループするけど、安全運転は忘れない俺は、偉い。


てまりのマンションに着いた。
上を見上げて、てまりの部屋の窓を確認する。明かりはついてる。いいつけを守って部屋にはいるらしいこと。
「はい、はい…すみません店長、すぐ戻りますから……ホントに…いや、彼女ではないですけど…」
TELしながら階段を駆け上る。
と、
「にゃ〜」
と猫の泣き声。
ゴミ捨て場からだ。
ゴミ捨て場には、明日の朝捨てるべきフライング可燃ゴミが山と積んであり、何匹も猫がそこでたむろっていた。

で、まあ、案の定というか、やたらデカいノラが1匹そこに混じってた。
「はーちー…」
「み、宮?」
怒りを隠すことなく、
「こんな時間になにしてる?」
「あー…その、てまりと喧嘩しちゃって?」
「ケンカ?」
てまりはそんなことは一言も言わなかった。
「ちょっと帰りにくくてね?」
「…(はー…)」
「というよりもう出て行こうかなあと…」
「ケンカぐらいで?」
「いや、喧嘩は、私が悪いんですよ。どちらかといえば。でも、元々勝手にころがりこんでるわけだし…いい潮時だと。でも喧嘩別れというのも後味が悪いので、ね、宮、てまりにことづけてくれないですか?私は勝手に出て行くだけだよって。」
「……」
コイツが、何を思って出て行こうとするのか、普通の友人なら普通に聞けそうなものだが、俺にはなぜかその資格がないように感じられた。てまりにも。
どんなにくっついて一緒にいても、自分たちの人生は所詮別個のものであると、八は、たぶんてまりも、根っこのところでそう思いこんでるらしくて、俺には手の届かない場所に心のスペアを置こうとしてる。
…でも。俺はそうは思わないから。
俺の人生はお前らのもんなんだから。勿論、俺のものでもありお前らのものでもあるといつかの俺が決めたのです。反論は認めません。


でもそんな愛の言葉を今はまだ囁けない。
「…やだよ。そんなてまりに包丁で刺されそうなミッションは。さよならくらい、自分の口でいいなさい」
「………うん…」
子犬のように震える八の頭をポンポンと叩いた。階段を上る途中、八が小声で「…もう少しいることにする」と呟いたので「あっそう」と返事しておいた。おわり。


ちなみに部屋に行くとてまりはポテチをくいつつタモリ倶楽部を見てゲラゲラ笑っていた。


オーナー:samantha

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