名前:灰の愛について 後編
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:3
剣技:
 ・召喚剣<5/5/0/2/高斬/チャイルド・チルドレン>
 ・召喚剣<5/5/0/2/高斬/シャルロット・セクサロイドの場合>
 ・召喚剣<10/0/0/3/速絶絶絶熱/抹殺>
 ・召喚剣<5/0/0/3/速護熱衝絶絶/灰の愛>
 ・召喚剣<5/0/0/3/鏡鏡鏡鏡鏡鏡/血の愛>
 ・召喚剣<20/0/0/3/鏡鏡鏡/銀械ワグマゥギズ>
 ・裏切書簡

設定:
少女と彼は毎日愛を語り合った。

ときどき少女はお腹の病巣を見せてくれた。
少女の割れ目から見える花のような腫瘍は少女の身体を崩して赤く咲いていた。
彼はその少女の命を終わらせる花に何も感情を表せなかった、ただ美しいな、と思った。

しばらくして少女は自らの終わりが近い事を悟り、ときどき震えることもあったが
彼はそのたび「大丈夫」と言って少女を抱きしめ優しく頭を撫でていた。
少女はそれがとても好きだった。

指先が壊死した日は、彼はいつものように少女を抱きしめた。
固形物が一切、胃に入らなかった日は、彼は熱いスープを冷まして少女に飲ませてやった。
高熱で意識がぼやけていた日は、彼が手を繋いでずっと声をかけていた、
少女が彼の手を握り彼の名前を呼ぶたびに、彼は「ずっとそばにいるよ」と答え、少女の手をより強く握り返した。

ある日、少女は黒い炎に包まれていた。
終わりの日が来たのだ。
少女は自らのこの世界の痕跡を持っていくために、持ち物を黒く燃やし始めた。
部屋の物を全て灰にしたのち、少女は彼にお別れを告げると、自らを黒く燃やしていった。

彼は少女の望みを叶える為、少女を抱きしめて自らの身体を燃やした。

少女は彼に自分の分まで生きてほしいと言った。
少女の掌から伝わる震えは彼の死を望んでいた。

彼女は泣いた。
喜びや嬉しさ悲しみ、彼に対する感謝の気持ちや自責の念など、様々が感情が入り混じり、涙を流していた。

二人は抱き合い灰になった。

「そして後には黒焦げた何も無い病室だけが残っていた、と……愛とは灰になること。愛するものが終わるとき、自らの命は壊れ、そして愛は終端に辿りつき、燃え尽き永遠になる、それが少女を愛した彼の灰の愛」


オーナー:hosa

評価数:4
(niv)(かに)(elec.)(掌)


> 少女の掌から伝わる震えは彼の死を望んでいた。

素晴らしい。たった一行で、完璧だ。 (niv)(05/17 02時38分33秒)