名前:S
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:4
剣技:
 ・裏切書簡
 ・召喚剣<5/3/0/3/熱絶重/燃え上がれ俺の恋>
 ・召喚剣<5/1/0/3/速熱衝衝死/Cの微熱>
 ・召喚剣<5/0/0/1/速死鏡鏡鏡鏡鏡鏡/マック・ポティエル>
 ・召喚剣<10/0/5/1/盾魔/マジックシールド>
 ・召喚剣<5/5/0/2/斬斬/イガバッチド>
 ・召喚剣<15/0/0/2/護命命命回6/血の遺産>
 ・召喚剣<5/0/0/3/鏡鏡鏡鏡鏡鏡/クイックシルバ>
 ・召喚剣<35/0/3/0//岩窟人形維持二回目>
 ・召喚剣<5/0/0/2/高斬/(奪剣ギールス)>

設定:
10.サクシード

 佳麻は父の訃報を知り、帰る場所が完全に消えたと自覚した。
 組織とビィへの復讐心はあまり湧いてこなかった。ただひたすらに愛しい人の夢を見ながら空虚な生活を送っていく。
「眠るだけでその者の時を止めていける魔法ねえ」
「叩いてもつねっても起きないし、ダメージも受けていないんですよ。家賃を払ってもらわなきゃあいけないのに。かれこれ五ヶ月溜めてるんですよ」
 マンションの管理人から通報を受けて、桔月は佳麻の部屋に入る。ここへ来るのは久しぶりだ。鋭を預かってから三年も経っているのか。
「眠り姫ね。彼女もアベンジャーの仲間入りか」
 寝顔は安らかだ。桔月は佳麻を背負っていく。羽根のように軽かった。

 それからまた三年後。
 佳麻は目覚めた。近くに「彼」の気配がした。
「始さん……?」
 若かりし日に出会ったころの始の顔がそこにあった。しかし佳麻は目の前の彼が始ではないのをとっさに悟った。嫌悪の表情をあらわにした。
「鋭ね」
「あ、ああ」
 佳麻に睨まれ、鋭はやはり物怖じする。負い目がある。佳麻の父を殺したことを。
「俺は、その……えっと……、ごめん、なさい」
 ひざまずいて鋭は佳麻に頭を下げた。佳麻は鋭を見下ろした。旋毛を見る。まっすぐに伸びた髪を眺める。前髪で隠された鋭の表情を想像する。
(容姿だけは始さんに似てるのよねえ)
 鋭は成長した。肉付きがたくましくなり精悍さが増している。見ないうちにいつの間にか始と瓜二つになっている。遺伝子は受け継いでいるということか。
(中身さえ鋭じゃなければ!)
 そこで佳麻の考えは「魔法の粉」へと至っていく。桐間重工は加工薬品の製造業も携わっており、オクマン製薬に魔法の粉の製造機械を提供している。ゆえに元令嬢の佳麻はその存在を知っていた。
(鋭を消す。その体は始さんのものだから)
 佳麻は微笑んだ。天使のような笑顔を作り、鋭を静かに抱いていく。
「私のほうこそごめんなさいね。あなたには辛く当ってしまったわ」
「佳麻さん」
「ううん、お母さんと呼んでちょうだい」
 鋭は顔を上げていく。佳麻を見つめる瞳が震える。唇を丁寧に動かして、
「お母さん」
 と発音した。
 佳麻は胸糞悪くなったが我慢して演技を続けていく。鋭の体を確かめるように撫でていく。
(ああっ、始さんっ!)
 掴んでいく。始のものと確かにそれは同じだった。
 鋭は眉をひそめただけで特に何も言わなかった。


オーナー:かに

評価数:2
(elec.)(kusa_hen)