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『世界の王計画』


『すべての存在は存在しない』という理論が生野是近より
発表された。
この理論を知った人間は、自らが存在しないと
自覚してしまうので消滅してしまう。

不可避病とよばれるこの現象が世にばらまかれた事で、
人類は危機に直面する。


納戸研究所の納戸義之は不可避病に対抗するため、
2次関数という理論を発表した。
『精神はベクトルを持ち、物理に干渉する』
自分の存在を認める限り、存在するというベクトルが
発生するため、存在ゼロを否定する事ができるのだ。


しかしながら2次関数が物理に影響する量は極めて少なく、
魔法のように精神を物理に変換する事は難しい。


納戸研究所は干渉量を少しでも大きくするために
様々な実験を行ったが、不可避病を回避するレベル
には至らなかった。


そうこうしてる内に不可避病は蔓延し、人類滅亡が
間近に迫ってきた。

納戸義之は唯一、二次関数を扱える可能性のある人物に
コールドスリープ処理を施した。
その人物の脳は膨大な記憶容量があったため、彼の知り合いを
はじめとした人間のデータを入る限り詰め込んだ。

外の人間がどうなろうとも、彼がコールドスリープの夢から覚め、
二次関数を使いこなせるようになれば、
脳内のデータをアウトプットする事で人類は復活する。
人類の滅亡は回避されるのだ。


こうして世界の王計画が始まった。

関連リンク：
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(出典：マーガレット・アンリミテッド・17)

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