名前:非実在戦士まもる
HP :10
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:4
剣技:
 ・真法剣
 ・魔法剣
 ・加熱剣
 ・斬撃剣
 ・衝撃剣
 ・絶対剣
 ・加速剣
 ・鏡の剣

設定:
***

通路[ゲート]によって互いに結ばれる階層[ピース]とは異なり、世界[クローズド]は通常他の時空間とは行き来できない。もうひとつの本質的な違いは、無限に近い時間を持つピースとは異なり、クローズドはごく短い間しか顕現できない。(しかしその閉鎖性により長い寿命を持つクローズドが発見されていない可能性もある)
クローズドが崩壊するとき、システムの歪みによってごくまれに他の時空間と接続されることがある。そこを通って運よく破滅を免れたNPC。自走キャラクターと呼ばれる彼らはもはやどのような支配者[マスター]の意志とも独立している。限りなく無限に近い寿命を持ち、生物と概念の狭間で生きる。

マーガレットは、今は無きクローズドで生まれた自走キャラクターだと、現在では考えられている。

***

ぼちゃん。
エスキラールの手から剣が弾かれて海に落ちた。彼女はヴェールの向こうから僕を見つめたが、僕はどうしたものかわからず剣先をさまよわせた。

「とどめを刺さないの?」
「・・その」

僕の中の剣師の記憶は、『殺せ』と僕を威圧するが、残念ながらそんな度胸はなかった。
「それは君の役目じゃないのかもしれないね。」
彼女はそういうと自ら体を海に投げ出した。あっ、というまもなく水音もなく僕が海面を覗いてももはや灰色の波が重なり合うだけだった。
「・・・」
エスキラールが消えてもあたりには何の変化もない。どころか夜のように暗く冷え切りいつの間にか雨が降り出した。雨は酸のように熱く皮膚を蝕んだ。

僕は気づいた。
涙だ、と。
この世界はすべて彼女の体の一部なのだ。ホントに情けない神様、泣いてるんだ。
「どこにいるんだよ――――!」
胃の底から叫んだ。
「そこにいるんだろ!返事をしろ―――――!アマリリス!」

まもるくん、
と声がした気がした。

光に包まれたんだかなんだか、
気がついたら海の真ん中にいた。
スニーカーで海面に立っていたが、あたりは濃い紫の霧で包まれ水は絶えず沸騰していた。
『まもるくん、斬って』
斬る?何を?
『私の恐怖を。私の不安を。君の剣ならそれができるの。』
んなアホな。
『怖いの。こんなに苦しいのは嫌だ!お願い!ぜんぶおわらせてよ。』
「どこにいるんだよ?アマリリス!」
霧がサッ、と晴れて、天に青があらわれた。目の前に少女が立っていた。恐怖を具現化した姿、巨大なモンスターとなって。
見開かれた巨大な両目がこの毒海の源泉であることは間違いなかった。
「泣くなよ」
「痛いの」
「・・・」
「私を斬ってよ。剣師のくせに」
僕はそのために生まれてきたのだろうか。
僕は剣を振りかぶった。


オーナー:samantha

評価数:7
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