名前:ヌル肌ロリ子
HP :5
攻撃力:6
防御力:0
素早さ:1
剣技:
 ・高速剣
 ・蟲毒剣

設定:
 16歳、法学生剣師
 武器を買うことも、学費を払うことも、それどころか食べ物を買う金もない。
 キモイ富豪から「これを一日着てくれたら高値で買い取る」と言われて毎日新しい下着を渡される日々。ファンは多いらしい。
 名前は富豪につけられたあだ名だ。

「はぁ……貧乏暇無し、乾く暇無し。突起物のついてる下着とかありえん」

――

 学校の裏はいくつもの花が咲いていた。
 ロリ子はそこにあったベンチに座り、薄ぼんやりと遠くを見つめて無表情のまま笑っていた。
「お金持ちになりたい。お金持ちはこんな下着も着なくていい、参考書も買えるし剣も買える。毎日のご飯の心配もしなくていい」
 乾いたパンをかじりながら呟いた「まずい。砂みたいだ」

 セミロングの黒髪がさらさらと風になびくと、髪を通った光がキラキラと青を映し出す。まるでロリ子の白い肌をサファイアが流れていくように。
 誰もがその美しさに触れてしまいたくなるだろう。
 しかし、ロリ子の暗い瞳が、その美しさをくすませていた。

「ブタめ……ふふ……ブタか。じゃあ私はブタ以下か。草か何かだな。ああ……だるいなあ」

――


オーナー:hosa

(出典:フレームオブプレイ01)

評価数:1
(niv)


名前:ヌル肌ロリ子
HP :10
攻撃力:6
防御力:0
素早さ:3
剣技:
 ・高速剣
 ・蟲毒剣
 ・蟲毒剣
 ・斬撃剣

設定:
 夕方、ブタの家に向う途中で知人に会った。五年ぶりだろうか。
 クソ田舎でヨームの実の油を作り続けて終わる、あこがれの剣師になるのは寝ているときだけ、そんな人生に手を差し伸べてくれた。私にこの街の学校を教えてくれた男だ。
 二枚舌ヒゲ男……どう考えても本名じゃない。
 そういえば、奴隷商だったはず。本名は隠しているのだろう。
 浅黒い肌、ボサボサと伸びたヒゲ、そこから白い歯を出して微笑みながら声をかけてきた。

――

「おおー、おいおい、久しぶりだな。えっと…エレクトラ」
「今は……ロリ子と名乗っています」
 なんとなく本名を名乗らなかった。
 ただ、あそこへ向う途中で本名を聞きたくなかったのかも知れない。
「はははーそうか、しっかし相変わらずガリガリだなあ。ちゃんと飯食べてるか?」
「それなりには」
 他愛もない会話が続いた。会話をするのは久しぶりだ。
 あの学校はほとんどの生徒がエリートだ。貧乏人に話しかけてくる人間なんていない。
 自分が人間だった事を思い出して、すこし楽しくなる。
「今から三角に行くんだろう。俺も呼ばれてるんだ」
 なぜ彼は私がブタの家に行く事を知っているのだろう。
 ……なんだろう。とても嫌な感じがした。

――


オーナー:hosa

(出典:フレームオブプレイ01)

評価数:0


名前:ヌル肌ロリ子
HP :10
攻撃力:6
防御力:0
素早さ:4
剣技:
 ・高速剣
 ・蟲毒剣
 ・蟲毒剣
 ・鏡の剣
 ・斬撃剣
 ・斬撃剣
 ・斬撃剣
 ・斬撃剣

設定:
 富豪の家に着いたロリ子は、いつもの広間ではなく違う部屋に通された。
 そこでロリ子は使用人に囲まれて、服を着せられ、化粧をされ、髪を整えられる。
「あの、下着を渡しに来ただけなんだけど」
「今日はお客様がいらっしゃっています。化粧をさせよとのご命令です」
「……またくだらない事を」

 メイクが済み、広間に通される。
 いつもは富豪一人だが、今日は4、5人の男達が集まっていた。
 その中にヒゲ男の姿もあった。

――

「どうじゃ、喜んで貰えたかね」
 富豪がロリ子を見下ろし、ニタニタと笑っていた。
「お前のことは聞かせてもらったよ。王族直属の魔法剣師になりたいだと? 素晴らしい夢じゃないか」
 わざとらしく大げさな身振りで、周りにアピールする。「ハハハ」と下卑た笑い声が上がる。
 ロリ子が無表情のままヒゲ男に目を向けると、彼は少しだけ申し訳無さそうに苦笑いを浮かべ、ロリ子から目をそらした。
「その服をそろえるのは金がかかったんじゃぞ、ちゃんと見てみろ」
 富豪は使用人に大きな鏡を持ってこさせた。
 そこには、ロリ子が夢にまで見た、まぶたの裏に焼きつく程に思いを馳せた、憧れの剣師の姿が映っていた。

――

 あー……だるい…………だるいなぁ…………。
 あ……ああああ……あーああああああ!!
 クソが。ブタ野郎が。死ねばいいのに。
 ……殺してやりたい。
 ブタも、ここに居る奴らも、この近くに居る奴らも、幸せな奴らも全員死ねばいい。
 ああいやだ。終わってる。もう全部終わってくれ。
 ……苦しい。
 ブタだ、こいつらが勝手にブヒブヒとブタ語を喋っているだけなのに。

「では魔法剣師様の下着を頂戴しても宜しいですかな……」
 うるさい死ね笑うな、臭い口を開けるな。吐きそうになる。
「きっと凛々しい下着に違いませんなあーハハハ」
 だまれ消えろ。
「早くせんか。護衛に無理矢理脱がさせてもいいんだぞ」
 くそ……ゴミみたいだ。ゴミみたいな世界だ。
 服を脱ぎ、下着を脱ぎ、ブタに下着を渡す。
 クソどもが卑しく笑っている。
 ふわふわと地面が身体から離れていく気がした。
 ああそうだ、これが夢なら、そう思うも目の前の鏡がこのくだらない現実を私に教えてくれた。
 その姿が、何だかおかしくて、馬鹿馬鹿しくて、不意に笑いが込み上げてくる。
「ヒヒ……ニヒヒ。私のストリップがそんなに楽しいのか……」
 鏡の中の裸の女は、涙を流し笑っていた。気持ち悪い笑い方だ。
 世界が濁って見えた。目の前には薄汚れた灰色の世界が広がっていた。
 全てが鈍色で、価値が無い。
 そう思えた。

――

 濁った魔石を通して見る世界はやはり濁っている。
 この欠けた魔石が今の私を作った。
 ブタを殺したときに生まれた欠片。

 あの後、ブタは興奮したのか何なのか「チップをやるから」と言い、私を風呂に入れた。
 私はきっと、どうでもよくなっていたんだと思う。
 本当にどうでもよかったので、風呂場にあった置物の魔石を何となくブタの頭に叩きつけた。
 うつ伏せに倒れてうめき声をあげるブタ。
 その音を聞いて護衛が駆けつけてくる。
「ああ、ここで死ぬのか。つまらない人生だったな」
 そんな事を思っていたら、何故か護衛はブタに止めをさして、テキパキと箱に詰めだした。
「あ、もう帰っていいよ。後は処理しておくから」
 よく分からなかったが、だけど服を着て逃げた。

――

 後で知った話だが、ブタには息子が居るらしく、さらにヒゲ男と交友があるそうだ。
 ヒゲ男が手を回していのだ。
 ブタが死んで、息子が来たとき使用人達は大喜びだったらしい、簡単に事が運ぶわけだ。
 結局のところ私は最後までピエロだった。

「……ブタには感謝しないとな、夢を叶えてくれて、そして現実を教えてくれた」
「ちょっと、姉ちゃん。石なんか見てないでちゃんと宿帳に名前を書いてよ」
 そう言って宿帳を私の前に持ってきたのは、店番をしていた少年だ。
「……名前か……名前ねえ」私は少し考えてから、名前を書いた。
「はい書いたよ、四枚舌ガリ子……ニヒヒー、どう、かっこいいでしょ?」
「変な名前、全然かっこよくないし」
「ところでさぁ、聞きたいんだけど、この辺に珍しい剣とか持ってる人って居ない?」

 私が何かを得て満たされているとき
 誰かが何かを失い嘆いているだろう
 それが世界の真理だ。


オーナー:hosa

(出典:フレームオブプレイ01)

評価数:1
(niv)


かわいいですね富豪。 (niv)(01/24 11時57分58秒)