名前:非実在戦士まもる
HP :10
攻撃力:0
防御力:2
素早さ:4
剣技:
 ・鏡の剣
 ・真法剣
 ・加熱剣
 ・衝撃剣
 ・斬撃剣
 ・魔法剣
 ・加速剣

設定:
僕が手にとったのは。
万象斬撃剣。
触れた概念すべてを斬っていく。

僕が剣を振り下ろしたその軌跡にそって、雲が切れ、青空が切れ、海が切れ、君の体が切れて君の心が切れて僕の存在が切れて、
拓かれたのは――?


***


上も下も光も闇もない世界が僕を包んでいた。これは――
「ブラックアウト?」
世界は滅んだのか?
君は死んだの?
「まだよ」
側に誰かいた。
「その証拠に、君がまだ存在してる。名もなき剣師、君はアマリリスの心の一部なんだからね。」
「あなたは?」
「私はただの糸の切れた人形。」
そう言って、マーガレットは微笑した。

「でも、間もなくすべて終わる。手術が失敗したんだ。アマリリスが意識を保っていられるのはあと数分もない。君も死ぬ。」
「あなたも死ぬ?」
彼女はその質問には答えず、
「誰にとっても死は怖いもの。夢の世界を作って死への恐怖を押し隠すことも、悪くない――でも、死への恐怖があるから、剣師は強くなれるんだ。そう思うでしょう?」
僕はうなずいた。
「剣は勇気。君がアマリリスの剣でよかった――」

うすらぼんやりと無の世界が晴れて、そこには僕がはじめて見る"リアル"の世界があった。
そこは白い病室で、目の前でアマリリスの母親が泣いていて、父親がその隣にいた。それはアマリリスから見た世界だとわかった。当たり前だ、僕はアマリリス自身なんだから。
目を開けたわ!と母親が叫んだ。

アマリリスの口がゆっくり、ママ、と動いたのを僕はとらえた。
そして病室の窓から、赤い鎧を着た女性――おそらく、アマリリス以外には見えていない――が出ていったのを(そして一瞬こちらを見て微笑んだのを)とらえた。




これがひとつの物語の終焉。
昔、ある入院中の少女が暇を持てあまして作ったゲーム世界、それにおける最強存在である"マーガレット"。
マーガレットの存在は、創造主の論理思考が未発達だったためシステムの歪みにのみこまれ消滅したと思われていた。


オーナー:samantha

評価数:8
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