名前:三河花梨
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:2
剣技:
 ・導来剣
 ・命の剣
 ・儀式剣
 ・魔法剣
 ・魔法剣
 ・魔法剣
 ・魔法剣

設定:
三途洞は、粟野酒造の裏山にある洞穴だ。入り口には注連縄が張ってあり、いかにも霊験顕かな洞窟といった風情である。
しかし、この奥に不死の幻獣が封じられていることを知っているのは、粟野一族と三河一族だけである。
何百年の昔から、粟野一族は封印を維持するための神酒を作り続け、三河一族は封印の要となって、恐るべき幻獣をこの地に縛り続けていた。

三河花梨は、三河家本家の一人娘であったが、剣師としての才はなく、百剣のうち満足に振るえる剣は半分もなかった。
代わりに、粟野の家に才ある剣師がいた。粟野杜夫である。

十年に一度の封印の儀。
古くなった封印の代替わりをする儀式の日。
まだ18になるばかりの花梨だけでは心許ないとて、粟野家、三河家の剣師が見守る中、悲劇が起きる。
封印を挿げ替えようと古い封印を解除したその途端、途心の揺らぐ気配と共に、異形の怪物が現れた。封印の幻獣−−−不死者三河屋は花梨に向けて呪いの剣を突きたてた。

杜夫は花梨に覆いかぶさる三河屋に神酒をぶちまけた。怯んだ隙を突いて強盗剣で相手の剣を奪い取り、速やかに封印を完成させ、なんとか洞穴に押し戻すことに成功する。後十年の間、幻獣の脅威は去った。
かのように思われた。

花梨の受けた剣は、恐るべき剣であった。
輪廻剣。
<攻><リミテッド>。
相手全体に状態<輪廻>を与える。10回。

状態<輪廻>(分類:その他)(累積なし)(発動時に消滅する)(勝利時に発動)
味方側の基本登録剣師を幻獣・嫌死者三途川に書き換える。

つまり、寄生の剣。
剣師の身体を奪い、その途心を滋養として、三河屋は長き時を生きて来たのだった。
花梨と三河屋の戦いは未だ終わっておらず、死亡か、20ターンの終了をもって、花梨は三河屋そのものになってしまう。
花梨は三河の家を追われた。

幻獣から奪った零時剣によって、花梨は何とか永らえた。杜夫が手配した粟野邸内の離れに、花梨は一人で暮らしていた。

阿波野酔が産まれたのはその四年後。花梨と杜夫は、この息子が幻獣を討つ剣師となるよう教育をはじめる。
憎しみと愛情で剣に心を縛り付ける。計画は順調に進んだ。

花梨に残された時間は殆ど無かった。オーロラメモリーにないリミテッド剣、零時剣は、度重なる複製を経て劣化しつつあった。それでも、すくすくとそだつ我が子を見て、花梨は不思議と穏やかな気持ちでいた。
これが幸せなのかもしれない、そんなことまで考えていた。

そして、十年。封印が解ける日。花梨は酔との別れを演出するため、麻酔を使った芝居を打った。

「気づいたか? あいつ、途心が一気に跳ね上がったぞ。まるで漫画みたいな奴だな」
「あなたの子だもの。才ある剣師になるのは当然でしょ!」
「……そうだな」
「さ、行きましょ。もうあんまり時間は無いみたいだからさ」
「花梨」
「ん?」
「愛していたよ」

こうして、三河花梨の長い長い20ターンは終わった。


オーナー:piyo

(出典:ガレット)

評価数:1
(GinIsami)


素敵なストーリー (GinIsami)(12/18 22時40分55秒)