名前:堀に覆われたヴェヴェン
HP :5
攻撃力:0
防御力:0
素早さ:7
剣技:
・玉座の間12 ・村 ・村 ・堀 ・魔女
設定:
ようやく堀が完成した。
内側から腐敗し崩れ行くこの都市で堀など何の意味がある、と、同胞であるはずの市民から何度も嘲られたものだ。
だが、こんな堀でもブレイスヴァがやってきたときには1秒くらいの時間稼ぎにはなる。その1秒が生死を分けないとも限らないのだ。
私は完成した堀を息子に見せるため、見晴らし台に連れて行った。見晴らしがよく、また壁がしっかりと残っていて安全であることからそう呼ばれている高い廃墟だ。
荒廃したヴェヴェンにあっても、空はいつも美しい。私は息子を肩に乗せながら、しばし遠く伸びる空の青さに見とれた。
「どうだ、空が見えるか?」
「見えるよ、でも、その前にブレイスヴァが立っている」
私は危うく息子を取り落とすところだった。
息子の見る先、その方角にはひときわひどい荒廃、木々の葉は枯れ、かつて澄んでいた泉は毒の沼地と化し、なぎ倒されて砕けた墓石が転がる光景がある。
「ブレイスヴァは、堀の中にいるのか? 外か?」
「中だよ、父さん」
中か。そうか、ブレイスヴァは堀の中にいるのか。
そうか。
オーナー:niv
(出典:ドミニオン)
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